「洋くん、お風呂お先~」
他人には絶対に見せられない、バスタオルを巻いただけの日向がそこに居た。
「何しちょる・・・また萌えゲー?」
スマホを操作する俺を呆れ顔で見つめる。
・・・当たってるだけに、返す言葉もない
こんばんは、萌えゲー命の村田洋介です(笑)
―――――――――8月29日(土)―――――――――
「そんなに面白いの、そのゲーム?」
パジャマに着替えた日向が、スマホをのぞき込む。
「・・・うわぁ、その歳で女子高生とかあり得ないんですけど」
「『その歳』とか言うなよな」
俺は、ちょっと口を尖らせた。
「事実じゃない?」
うっ・・・返す言葉が見当たらない

「それって、どんなゲーム?」
フェイスタオルで髪を拭きながら、日向が訊ねてきた。
「普通の女子高生が、パラレルワールドに入り込んじゃって、そこで武器を強化しながら戦うゲーム」
「そう言うストーリーって王道よね。パラレルワールドって、どういう意味?」
あ~こいつ、そう言うSFの世界って苦手だったよなって思いながら、俺はスマホをテーブルの上に置いた。

「パラレルワールド、並行して時が流れてる別の時空の事」
「???」俺の傍らに腰を下ろした日向の頭上には、明らかにそんな文字が浮かんでいた
「例えば、今、俺がこうしたとするじゃん」俺は日向の肩を抱き寄せる。
「んで、その左手がこうしたとする」悪戯っぽく日向の胸に触ってみる
「ひゃっ、こらっ!どさくさに紛れて!」日向が俺の手を払いのける
「そんなに邪険にしなくても・・・例えば、日向が俺の手を払いのけなかったら、この後もっとすんごい事してるかもしんないじゃん、そんなifもしもの世界がパラレルワールド」
「昔、そんな番組有ったよね」
「思うに、1秒毎に・・・いや時間じゃないな、そう瞬間毎に別の世界が無数に広がっていると思うんだ、例えば跳ねのけた手が物に当たって俺が骨折するかもしれない」
「そんなに強く払いのけてないじゃん。」
「・・・そうだけど、もし強く払ってたら骨折して、病院行ってそこのナースと劇的な恋に落ちるかも知れないじゃん。」
「ナースさんと恋愛したいんだ、洋くんは!」
「例えだって。すべての事はそうやって無限に広がって行ってると思うんだよね。」
「それは、確かにあり得るかもしれないけど」

「ただ、俺達にはその別の選択肢の結果を確認する術はないんだけどな。」
「そうだよねぇ」
「だから、なんて言うか1分1秒を大切にしなきゃって思うんだよね。」
微妙に日向が頷いているのが分かる。
「そんな大それた話じゃないか・・・」
日向が、クスって笑った。
「・・・今、選択出来る事は、『さっさとお風呂入ってガス代節約するか』だけだと思うけど。」
「もう一度おっぱい触るって選択肢は認められないんだ・・・OK、お風呂入ってくるわ」

俺は、セーブする為にスマホを手に取った。
「あれ?何かメール来てる」
「洋くんにメール来るって珍しいね、誰から?」
「・・・娘からだよ」
「久しぶりじゃない、一恵ちゃんからメール来るなんて」
「だよな・・・」


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