「日向ぁ~」
真昼間だっていうのに、洋くんがゴロゴロ甘えてきます(笑)
テーブルの上には、読み終えた小説が1冊置いてあります。
こんにちは、朝川日向です。
―――――――――8月30日(日)―――――――――
小説のタイトルは、有川浩さんの「植物図鑑」
結構、有川さんの小説ってお気に入りなんですよねぇ。
こっちに来て初めて見た映画も有川さん原作の「阪急電車」ですし。

「読み終えた、『植物図鑑』?」
「うん、日向の言った通り、この男の子と俺って被るよなぁ」
・・・容姿は全く被ってないのが、誠に残念なんですが。
「何って言うか、サバイバル状態でも生き抜けて行けそうだよね、洋くんは」
「そっかぁ?」
少し照れくさそうに鼻をかく洋くんが可愛いです。

「だってさぁ、小説にも有ったけど、野イチゴでジャムとか作るもんね」
「まぁあっちは、本当に美味しい野イチゴの方だけど、こっちは初冬に採れる冬イチゴだからなぁ」
「しかも、砂糖入れずぎちゃってカチカチに固まるし」
「ありゃ、失敗だったよね」
「アケビの皮の肉詰めも、どっちかと言うと微妙な部類よね」
「あれ、外皮剥くの大変だったんだからンな!」
「こっちに来てスグの頃、クレソンが結構な頻度でメインディシュだったよな」
「あれはあれで楽しかったわよ。最近行ってないわよねぇ」
「美味しかったんじゃなくて、楽しかったんだ」

「そう言えば、この前のドライブの時、栗の毬落ちてたよな、まだ青かったから拾わなかったけど、今年も食べような栗ご飯」
楽しい予定が一つ増えた様で、ちょっぴりうれしくなった。
「10月後半から11月はムカゴ採りも行こうな、甘辛く炊いたムカゴ美味しかったよなぁ」
「洋くんは、食べる事の方が思い出残ってるんだ」
「もちろん、ドライブの道中だって楽しかったさぁ」

私は、内容を再確認する様に、テーブルの上の小説を手に取り、ペラペラ捲ってみた。
「ねえねえ、この辺りにも食べれる草有るのかなぁ?」
「結構、小説に出てきた草花って生えてるよ、この辺りにも。そろそろ涼しくなるし、散策してみる?自転車とか欲しいよなぁ」
「でもここって、どっちに向かっても上り坂じゃないのよ、要らないって」
「別に車が有るんだし、トランク入れて出掛けりゃ良いじゃん」
ナルホドって思わず唸ってしまった。
車に自転車乗せるなんて発想は無かったから、目から鱗状態です。
「この辺って、サイクリングロード有るし、河川敷とかも結構楽しめるんじゃないかな」

s-DSC_2964「東京居た頃さぁ、寮が荒川に近かったから、何回か河川敷サイクリングしたんだよなぁ」

もう5~6年も前の話になるのかな、洋くんと私は仕事の関係で遠距離恋愛してました。
そう言えば、洋くんってマウンテンバイクでサイクリングとかするの好きだったんだよなぁ

「荒川って結構テレビのロケでも使われる位良い所じゃん、サイクリングしてて気持ちは良いんだけど、やっぱ一人だと寂しかったんだよなぁ」
・・・一人で、どこでもヒョイヒョイって出掛けるって思ってたけど、意外と寂しがり屋だったんだぁ。
「いつかは、日向とサイクリングしてみたいって思ってたんだぞぉ」
チラッと洋くんに視線を移すと、うっすら頬っぺたが赤らんでいます。
可愛いんだからぁ(^^♪

視線を下に落とすと、洋くんの豊満なお腹が目に入った。
・・・・・ダイエットの為にも良いかもね
「行こうよサイクリング」私はうっすら微笑んでいた


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