松舞ラブストーリー

山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね

2009年02月

いよいよ、バレンタインですね。
しかし、そんな一年に一回のチャンスなのに、私はまだチョコを渡せずにいます。
こんばんは、塚田真子です。
―――――――――2月14日(土)―――――――――
実は、今日も美結ちゃんのお父さん、木下君は仕事です。
しかも、さっき残業が終わったってメールが有りましたから、お迎えは9時を回りそうです。
美結ちゃんは、今日一緒に作ったクマさんの顔のチョコを、お父さんに渡すまでは、起きてるって頑張ってましたが、一緒にアンパンマンのDVDを見てたらスースーと寝ちゃいました。
取り合えず、美結ちゃんを抱きかかえて、私のベッドに寝かせました。
子供の寝顔って本当に可愛いですよね。自分の子供じゃなくてもこんなに可愛いんだから、実際にお腹を痛めて生んだ子供なら・・・ううん、美結ちゃんは十分に私の子供ですって。
確かに、自分が生んだ訳ではないけれど、生まれた時からず~っと見守って来た、子供なんですから。

「う~ん」 あっ、DVDを消さないと、美結ちゃんが目を覚ましちゃいます・・・
「ママァ~ママァ~」泣きそうな切ない声で、美結ちゃんが呟いています。
・ ・・・・・どうやら寝言みたいですね・・・
ママって・・・やっぱり美結ちゃんにとって、心のよりどころは、弥生なんですね。
当たり前だけど、美結ちゃんにとって、私は「まこちゃん」って身の回りの世話をしてくれる大人であって、美結ちゃんのお母さんでは無い。お腹を痛めて生んだ子供じゃないから、美結ちゃんのお母さんには、絶対になれないんですよね。
病に冒され、薄れ行く意識の中でも、いつも美結ちゃんの事を心配していた弥生。
そして、出棺の時「お母さんと、これでお別れだよ」って周りの大人に言われて、瞳に涙をいっぱい浮かべながらも、決して泣く事はなく静かに、弥生の冷たくなった顔を、優しく撫でていた美結ちゃん。
二人の親子としての絆は、決して切れるものじゃないですからね。
勿論そんな事は分かっていて、美結ちゃんの母親代わりを申し出た訳なんですが。
木下君との結婚なんて関係なく、美結ちゃんに「お母さん」と呼ばれたいなんて、考えるのは虫の良すぎる話ですよね。
それに、もし木下君と結婚する事になっても、美結ちゃんの「ママ」は弥生であって、私は継母でしかない。
美結ちゃんが「ママ」って呼んでくれないかもしれない。一生「まこちゃん」なのかも知れない。

そんな事を考えていたら、なんか段々ブルーになってきちゃいました。
勿論、そんな計算の元、美結ちゃんの面倒を見ている訳ではないけど、やっぱり美結ちゃんと言う触媒を通して、木下君と触れ合う度に、一度は諦めて封印した思いが、どんどん溶け出してしまうのも事実。
しかも、木下君に、別に好きな人が居て、その人と結婚しちゃったりしたら、私は美結ちゃんの継母にすらなれない・・・。
なんかそう考えたら、木下君にチョコを渡して胸の内を、打ち明けるのすら怖くなって来た。
やっぱり、チョコは義理チョコとして渡そう・・・そう考えていると、玄関のチャイムが鳴った。
木下君が、美結ちゃんを迎えに来たみたいだ。

「塚田、ゴメン遅くなって・・・塚田?どうした?」
木下君の顔を見たら、涙があふれて来た。
「ゴメン、びっくりしたでしょ・・・何でも無いから気にしないで。 美結ちゃん寝ちゃったから、静かに入ってよ」
「あっ・・・あぁ・・・」木下君は心配そうな顔のまま、靴を脱いで部屋に入った。
「あ~ぁ、美結ったら、塚田のベッドを占領しちゃって・・・」そう言いながら、美結ちゃんを抱き上げた。
怖い夢を見てたのか、美結ちゃんの目尻から、涙が流れていた。
「ママァ~ママァ~」美結ちゃんは目を覚まして、又、呟いた。
そして、私の顔を見つけてハッとした。
・ ・・・・良いんだよ美結ちゃん、子供がそんな気を使わなくても・・・私は「ママ」じゃなくて「まこちゃん」なんだから・・・
美結ちゃんは、お父さんの腕をすり抜け、私に抱き付いて来た。
「ママァ~」って・・・
えっ?美結ちゃん?
「あのね、みゆがおきたら、ママがまこちゃんがいないの・・・ずっとママ・・・まこちゃんママってさけんでたんだけど、まこちゃんどこにもいなくって・・・ねぇ、まこちゃん、ず~っとみゆのそばにいてね。す~っとみゆの、ママでいてね」
そう言って美結ちゃんは、私にしっかりしがみ付いた。
私は、また涙があふれて来て・・・
「どこにも行かないよ、ず~っと美結ちゃんのママで居てあげるから。だから安心して美結ちゃん・・・」
そう、美結ちゃんが「ママ」って言っていたのは、弥生ではなく、私だったのだ。

やっと泣き止んだ美結ちゃんが、木下君の顔を見た。
「あのねパパ、みゆ、まこちゃんママとくまさんの、ちょこつくったんだ。」
木下君はちょっと困った様な顔をして、「美結、真子ちゃんは美結のママじゃないんだよ。 真子ちゃん、美結にママって言われて困っているよ」
違う・・・違うって、木下君・・・私は私は・・・
「だって、みゆ、わかるもん。まこちゃんママがつくってたちょこは、パパにあげるぶんだって。おんなのかんでわかるもん」
あちゃ~、どこで覚えたの美結ちゃん「女の勘」なんて言葉・・・
思わず噴出してしまった。木下君も笑ってる。
弥生・・・良いよね、もう。
弥生が木下君に告白するって言った日、私が言った約束。
「分かった、私が諦めるから・・・二人で幸せになってね」って、
泣きながら誓った約束。
二人で、泣いて抱き合った、あの日の約束・・・美結ちゃんが許してくれたもんね。
私は、しまっておいたチョコを、そっと木下君に差し出し、こう呟いた。
「私、美結ちゃんのおかあ・・・」チラッと美結ちゃんを見る。ニコニコ笑って頷いてる。
「美結のママになってくれ!・・・いや、俺の嫁さんになってくれ・・・」
えっ?私は耳を疑った・・・
「美結が、認めてくれるかどうか、ずっと心配だった。でも塚田なら・・・真子なら、美結を・・・俺を幸せに出来る・・・いや、俺が真子を幸せにするから、必ずするから・・・だから二人でずっと、美結の幸せを見守っていてくれないか?」
私は、思わず木下君に抱きついた。
美結ちゃんの目の前ってのを思い出し、離れようとしたら、木下君が
抱き返して来た。
「ちょ・・ちょっと・・・美結ちゃんの目の前に・・・」美結ちゃんの方に目をやると、もみじの様な手で、両目を隠していて・・・そして、指の隙間から私を見つめて・・・Vサインを送ってきた・・・
私は、軽く頷いて、美結ちゃんにVサインを送った。



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ふ~(-。-)=з
意外と早く、朝葉のアパートが見つかりました。
それで、こうして土曜日の内に、洋介に会えそうです。
こんばんは、チョイ悪姉貴の緑川日向です v(^_^;)ヾ
―――――――――2月14日(土)―――――――――
本当は、日曜日に大阪寄ってすぐ帰る予定だったんですけど、とんとん拍子で朝葉のアパートが決まったから、ちょっぴり悪知恵を働かして・・・いや、乙女心って言って下さい・・・

新幹線が静かにホームに滑り込んで来ました。
ホームには沢山のカップルが並んでいます。
楽しそうに手を繋いでいるカップルもいれば、無言で俯くカップルもいます。
昔、「シンデレラエキスプレス」って言葉が流行ってたみたいだけど、うまい表現ですよね。
確かに、0時を回って自宅に着き、又いつもの寂しい生活が始まる・・・う~ん、他人事では無かった。
私も明日の夜は同じ思いをするんだった・・・
でも、そんな先の事は、後にして・・・今は、洋介に会える事だけを考えておきます。
だって、この前、彼に会ったのはクリスマスですから・・・
いきなりメール遣して、「今日午後そっちに帰るから、予定空けとけ」ってプロポーズかな~って、期待してたんですけど、結局他愛の無い話で時間だけが
過ぎていくし・・・

なんて、ボ~ッと考えているうちに、新大阪に到着・・・やっぱ、松舞のワンマンカーと違って、新幹線は速いですね。
ホームに下りて、洋介の姿を探す・・・居ない(゜-Å)
携帯の電源を入れてみると、洋介からメールが・・・
「いきなり来るって、言われても・・・部屋が未だ片付いてない。とりあえずザッと片付けてから、そっちに向かうから、十時半くらいになると思う。また、駅に着いたら連絡する。」
うっ・・・いきなり空振りです。今頃エッチなDVDを必死に隠しているのでしょうか・・・いや、案外他の女の痕跡を消していたりして・・・う~ん少し気になります。
ホームにいてもどうしようもないので、取り合えず改札を抜けて2Fの喫茶店ででも時間をつぶそうかな。
エスカレーターを下りて、歩いていくと右手にお洒落な感じのスーパーが
目に入った。
さすが、大阪十時回ってもスーパーが開いてます。サンモールなんか八時で閉まっちゃうのに(笑)
そう言えば、まだチョコを買ってませんでした・・・でも、洋介は甘い物あまり好きじゃないんですよね。
ブラブラと、店内を歩いていてら、ひとつのコーナーに目が留まった。

「わりぃ、日向。遅くなった、待ったろ?」
「そりゃ、勿論待ったわよ」あ~、気持ちは嬉しいのに、照れ隠しで裏腹の言葉が出てしまう・・・
ちょっと、しょぼんとしている・・・あちゃ、ちょっぴり洋介をいじめすぎたかな?
「ゴメンネ、突然押しかけてしまって・・・」
「いや、全然平気だよ・・・って言うか嬉しいし・・・」
洋介は私の手を握り締めた。私も手に力を入れてみる。
洋介のアパートは、電車を乗り継いで二駅のところに有る。
ちょっぴり、混んでいる電車の中でもず~っと手を繋いだままでいた。
今はしっかり洋介に甘えていようと思う。

洋介のアパートに着いた。
先ずは、残り香のチェック、そして歯ブラシのチェック、そして長い髪の毛落ちていないか目を皿の様にして見てやるんだから・・・
暗い部屋の中で、いきなり洋介は私に抱き付いて来た。
ん、もう・・・洋介ったら・・・私も洋介の肩に手を回す。
ゆっくりと洋介の唇が重なってきた・・・
「そうそう、こうやって王子様のキスで目覚めるんだよね・・・」(それは、白雪姫)
足元に置いた買い物袋に躓きそうになる・・・とっさに二人は腕を解いた。
ちょっと、しらけちゃったかな?
私は足元の買い物袋から、さっき買ったプレゼントを取り出す。
「はい、洋介。これバレンタインプレゼント。」
ハイヒール型の青いボトルを、そっと渡す。中身は、カクテルブルーハワイとかに使う、ブルーキュラソらしい。
「大好きだよ、これからもず~っと」私はもう一度洋介に軽くキスをした。
「俺だって、日向の事が大好きだよ」もう一度洋介が私の唇を捜している。
う~ん幸せです。今夜は一杯甘えちゃうからね。
だって、この幸せは明日の夜までなのだから。
0時を回ったら、シンデレラは魔法が解けて、普通の女の子に戻ってしまう。

でも、ガラスの靴を頼りに、ちゃんと私を迎えに着てね。



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うわ~、このビルすごく高~い
エントランスのイルミネーションも綺麗~
皆さんこんばんは、いつもに無くテンションの高い緑川朝葉です。
―――――――――2月14日(土)―――――――――
実は、今、東京の渋谷に居るんですよ。
えへへ、ふうた君とハチ公前で待ち合わせ中です。
なぜ渋谷かって?
はいはい、先ずは私達の近況から、お話しなきゃいけませんね。
実は、私もふうた君も、東京の大学に合格して、4月から東京に住む事に
なったんです。
そして、今週末は、お互いアパートを探す為に、私はお姉ちゃんと、ふうた君はお父さんと上京中なんです。
そして、せっかくのバレンタインの夜、会いたいねって話になって、こうしてハチ公前で待ち合わせしているって訳なんです♪

しかし・・・待ち合わせは七時だったんですが・・・もう30分も過ぎてます。まだ、いい物件が見つからないんでしょうか?
みんな、やはりハチ公前で待ち合わせているらしくて、周り中カップルだらけです。
まるで、松舞の花火大会みたい・・・この人混みは・・・
「あっ、ゴメンなさい・・・」
ボ~ッっとしていたら、歩いて人にぶつかりました・・・いや、正確には私は、ただ立っていた訳だから、向こうがぶつかってきたんだ・・・う~、何か私が謝って
損した気分・・・
周りをキョロキョロしていると、向こうで怖い格好した男の子3人が、1人で立っている女の子に話かけてます。
ひょっとして、ナンパって奴ですか?
う~、3人組は、諦めたのか、こっちに向かってテロテロ歩いてきます。
どうしよう・・・声をかけられたら・・・出来るだけ目立たない様に・・・
ちょっと人陰に隠れて・・・
って、それじゃあ、ふうた君にも見付けてもらえないかも・・・
あ~もう嫌だ・・・どうすればいいの・・・
男の子3人が、どんどん近づいてきます・・・
やだやだ・・・来ないで~
って、私の少し手前で、右の方向に曲がって行きました。
「良かった~」
しかし、考えてみたら、私の自意識過剰だったのかな? こんな人の多い街では、私なんて目立たないちっぽけな存在なのかも・・・
本当にふうた君に会えるのかな?
すごく不安になってきた・・・すごい人いきれで、思わず噎せ返りそうになる。
何かいきなり都会恐怖症になりそうです・・・花の大学生活始める前にホームシックになるとは。

少しベソをかきそうになっていると、やっとでふうた君が人混みの間から見えてきた。
思わず、抱き付いてしまった。
「ふうた君、怖かったよ~」
ふうた君の体温を感じたら少し落ち着いた。それと同時にここが街中で有る事を思い出した。
思わず飛び跳ねて、周りを見渡す・・・私がふうた君に抱き付いていた事など、誰も気にしていない素振りだった。抱きついた事より、周りをキョロキョロ見ている事が、恥ずかしくなって、思わず顔が火照ってきた・・・
「ゴメンネ、朝ちゃん・・・渋谷駅にはちゃんと七時前に着いていたんだよ。でも、降り口間違えて道玄坂の方に行っちゃって・・・ラブホテルが多くて、焦っちゃった・・・」
ラ・・・ラブホテル・・・?こんな街中に?・・・う~んさすが東京だ(自分で言っておいて、何がさすがなんだと突っ込んでみる。)
「とりあえず、どこかで休憩しようか、ふうた君」
「えっ、未だやばいよ、俺達未青年だし・・・」
あ~、ふうた君もうしっかり東京に感化されてます・・・(=_=#)

結局、お店が多すぎて決められず、普通にマックで、夕ご飯を取る事に・・・
まぁ、松舞にはマクドナルドなんて無いから、私達には十分お洒落なんですが・・・
「朝ちゃんは、アパート決まった?」
「うん、私は、大学の近くの三軒茶屋で、見付けたよ。ふうた君は?」
「俺は、下北沢。結構お洒落なアパートだよ。」
「下北沢・・・それって、三軒茶屋から遠い?新玉川線か半蔵門線沿いなら、迷わず行けそうなんだけど?」
「えっ?どうなんだろう? ちょっと待って・・地図見てみるね・・・あ~、三軒茶屋からだと一回渋谷に出て、井の頭線に乗り換えてから、行く様になるね・・・あっ、でも、歩いても行けるんじゃない?」
どれどれって、私も地図を覗き込む。
「ほら、この道を上って行けば下北沢の駅がすぐ近いよ。」
「本当だ、これなら毎日会えるね♪」
私が顔を上げるとそこには、ふうた君の顔が有って・・・ふうた君と目が合った。
これから、二人でこの街で暮らしていく。
大好きなふうた君の為に一杯料理を作りたいな。
たまには、背伸びして二人でお酒も飲んだりして。
そのうち、ホテルにも行ってみようね、ふうた君なら私は全てを任せられる
気がする。
すぅっと、ふうた君に唇を近付けてみる、ふうた君も顔を近付けている。
軽くキスをしてみた・・・店内で・・・
そこは、誰にも干渉されない二人だけの時間が流れていた・・・
案外、この街が好きになっている自分がいた。ふうた君の居るこの街が・・・

「じゃあね。また、明日松舞で会おうね。」
って、手を振りふうた君と分かれた。
又、会えるって分かっていても、やっぱりサヨナラを言う瞬間は胸がキュンッと締め付けられる。
でも、これからは、サヨナラじゃなくて、おやすみを言う日が、増えるのかも
しれない。
それはそれで、ちっちゃな胸がキュンとなるんですけどね(^^ゞ

♪♪♪・・・
あっ、お姉ちゃんからメールです。
何々・・・「ふうた君にちゃんとチョコ渡せた?」
あ~、すっかり雰囲気に流されちゃって、渡すの忘れてました。
かわいいトリュフを買っておいたのに~(´ヘ`;)
「え~っと・・・私は今から大阪行くから、帰りはふうた君と合流して、ふうた君のお父さんに連れて帰ってもらって下さい。ふうた君のお父さんには、さっきお願いしたから。では、宜しく~」
あ~、お姉ちゃん、元々そう言うつもりだったから、アパート探しに付き合うの乗る気だったんだ・・・(」゜ロ゜)」ナント~


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「お~い、ヒグラシ次はこれ運んで~」
う~ん、何で折角の休日に私があんたの引っ越しを手伝わなきゃいけないのよ。
あっ、こんにちわ、お久しぶりです、ヒグラシこと、金田佳奈絵です。
―――――――――2月14日(土)―――――――――
実は、就職を期に、モリヒデが松舞に引っ越ししてくる事に、なったんです。
しかも、何かと、うちのおじいちゃんに気に入られている、モリヒデは格安で、同じアパートに引っ越す事に。
一年生の時の花火大会の晩に、一緒に過ごしたあの部屋、そう、うちの家の隣に住んじゃうんですよ。
嬉しい様な、うっとうしい様な複雑な心境です。

「いや~ぁ、ヒグラシが居たお陰で思いの他早く荷物片付いたな。」
そりゃそうでしょう、朝からず~っと手伝ってんだから・・・
しっかり、バイト代を払ってくれなきゃ、許さないんだからね。
「なあ、ヒグラシ、お茶でもいれてくれよ」
ちょっと、お茶をいれて欲しいのは、私の方よ。
しかも、夫婦じゃあるまいし、何で私がお茶いれるのよ。
「ほら、さっきコンビニでケーキ買って来たんだから。」
そっ…それなら、話は別です、早くケーキが有るなら有るって言ってよね♪
しかし、どの段ボールを開けても、ヤカンは愚か、コップすら入っていなく、段ボールの中身は漫画やゲームソフトばっかり
こっちの段ボールは…あぁテーブルクロスや布巾ね・・・いや、こっこれは、トランクスやブリーフ
いや~ぁ、触っちゃったじゃないの~
「ちょちょっと、モリヒデ。ヤカンやポットの類、全然持って来てないじゃん」
あぁ、こっちに来てから、サンモールで買うつもりだったから。
「じゃ…じゃあ、お茶どうやっていれるのよ~?」
「えっ?だからヒグラシが、自分の家でいれて来いよ」
あぁ…私にお茶いれてって、そう言う意味だったのね
「ったくぅ、本当に世話の焼ける奴なんだからぁ」
家に戻って、ティーポットにお湯を入れる。
そう言えば、冷蔵庫にバレンタインのチョコ入れたままでした。
毎年、チョコを渡しても、貰うだけ貰っておいて、スグどこかに居なくなってしまう。
照れ臭いのは、分かっているんだけどね。
でも、何か煮え切らなくて、今年はチョコに痺れ薬を混ぜようかと、思った位(朝ちゃんに、それって犯罪なんじゃぁ・・・って、止められましたけど)
折角作ったんだし、モリヒデに恵んでやるかな♪

お茶をいれて、モリヒデの部屋に戻ってみると、南向きの窓からポカポカと、お日様が差し込んでいます。
モリヒデは、虫干ししている布団に、うつぶせになってスースーと寝息を
立てています。
「モリヒデ、お茶いれたよ」
・・・・・・・・・
マジで寝込んじゃってるみたい。
「お~い、モリヒデ~」
耳元で呟いてみる。
「起きなさい・・・起きないと、ケーキ全部食べちゃうぞ」
う~ん無反応です。なんかつまんないデスネ。
窓からポカポカと日が差し込んでいて、う~ん確かにこりゃあ眠くなっちゃいますね。
私も、布団に臥せってみる。
お日様の香りを漂わせた布団が、優しく私を包み込んでくる。
あ~ぁ、なんか幸せです。
大好きな男の子と、こうして並んで陽だまりでお昼寝をする。
幸せって、案外何でもない事から始まるもんなんですね。

気が付いたらもう夕方です。
モリヒデ今夜は、こっちに泊まって明日、家電製品を買いに雲山市に行くそうです。
でも、あんた、電灯もない暖房器具も、ポットすらない部屋でどう生活するのよ?
えっ、私の家で夕ご飯食べてお風呂入ってから、寝るって!
ったく、本当にあんたは、図々しいんだから。
でも、一緒に夕ご飯のお買い物して、ついでにフライパンやおなべを一緒に選んで、帰ったら一緒に、ご飯を作る。
これも、すっごく幸せな事なんですよね、きっと。
以前kの部屋で感じた思いが、今現実の物になろうとしている。
これからも、沢山の小さな幸せを感じさせてくれるよね、モリヒデが一緒なら。



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もうすぐバレンタインですね♪
こんばんは、私、塚田真子って言います。
毎年、この時期になると、手作りチョコを作るんですが、結局渡せず仕舞いで落ち込んでいます。
今年だって、ちゃんと日曜日に、板チョコとラッピング買ってきましたよ。
―――――――――2月10日(火)―――――――――
さてさて実は今、結婚経験・・・いや恋愛が成就した事すらない私が、子育て奮闘中です。
その子の名前は、美結ちゃんて言う、4歳の女の子。
仲良しだった友達、弥生の子供なんですけど、弥生は2年前に癌で他界してしまい、夫婦揃って身寄りが無かった為、弥生の妊娠中から・・・いや、二人の交際前から仲が良かった私が、子育てのお手伝いをする事に。
昼間は保育所に通っているので、残業の多い木下君・・・あっ美結ちゃんのお父さんの事です、木下君も高校の同級生で、私達3人高校時代からの知り合いなんです・・・に代わり、平日の夕方6時から夜10時迄と、依頼された休日朝8時から夜9時位まで美結ちゃんと過ごしています。


今日もいつもどおり、6時に保育園にお迎えに行って、それから一緒にサンモールへ、夕ご飯のお買い物に行きました。
「今夜は、美結ちゃんの大好きなオムライスにしようか?」なんて、話をしながらエントランスを抜けると、そこは特設のバレンタインコーナーです。
美結ちゃんは、私の手を振り解いて、バレンタインコーナーの中に、駆けって行きました。
そして、大きなハート型のチョコレートを、私の所に持って来て、「これ、しゅんくんにいまからもっていく」って言いました。
「うん、美結ちゃんはそのチョコを駿君にあげたいのね。美結ちゃんは駿君の事が好きなの?」
美結ちゃんは小さく頷きました。
「そっかそっか、でもね美結ちゃんチョコをあげる日は、今度の土曜日だよ。だからまた買いに来ようね」
美結ちゃんは、何回も首を横に振っています。
「駄目だよ、ちゃんとお父さんに聞いて、お父さんが良いよって言ってからじゃないと」
美結ちゃんは、目に一杯の涙を浮かべながら、その場に座り込んでしまいました。
普段は、物静かでわがままなんて言わない女の子なんですけど、今日はなかなか言う事を聞かず、手にしたチョコを離そうとしません。
「駄目です、ちゃんとお父さんが良いよって言ってからね」
私は、美結ちゃんを抱きかかえてチョコを陳列棚に返してから、コーナーを離れました。
美結ちゃんは、結局その後もポロポロと涙を流してた。
結局、家に帰ってからも、機嫌を損ねたまま。
オムライスも半分くらい残して美結ちゃんは寝てしまいました。
でも、あの聞き分けの良い美結ちゃんが、ここまで意固地になるんですから、よっぽど駿君の事が好きなんでしょうね。う~ん、どんなイケメンなのか(美結ちゃんは結構面食いです)少し興味が有るなぁ・・・

実の娘なら、もっとガンと言えるのかもしれないけど、一応他人のお子さんですし、美結ちゃんに嫌われたくないし、でもでも母親代わりとしては、そんな事じゃあいけないって事も分かっているんですが。
弥生が妊娠が分かったのが、丁度4年前のこの時期、あと一ヶ月で高校卒業と言う時でした。
木下君は大学進学を諦め、雲山で就職を決め、弥生は就職を諦め、時間の融通の利く地元のコンビニで数ヶ月バイトをする事に。
その時にはもう弥生のお母さんも亡くなっておられ、 出産のイロハも分からず他の友人も加わってマタニティー関連の本を買い漁ったり(こんな田舎で、マタニティー雑誌を買う女子高生って、大変だったんですよ)、高校卒業してからは、うちの母親にも助言してもらって、何とか無事に出産。
産声が聞こえた時は、木下君と泣いて喜びました。
まだ、二人とも社会人として巣立ったばかりですから、十分な貯金も無く二人の生活は決して豊かでは有りませんでした。
新生児保育に預ける金銭的余裕も無く、出産後3ヶ月位で弥生はバイトを再開しました。
だから私も、出来るだけ育児を手伝う様にして、お母さん代わりをして来た。
・・・悔しいけど、おっぱいだけはあげられませんでしたが。
だから、美結ちゃんの事は分かっているつもり、私がもっとしっかりしなきゃです。

♪♪♪~不意に携帯が鳴り出しました。
高校時代のもう一人の友人、日向ちゃんから電話です。
日向ちゃんは、松舞保育園の先生で美結ちゃんの担任でも有ります。
高校を出て女子短大で、保育を学んで帰ってからは、美結ちゃんのもう一人のお母さん役でも有ります。
「もしもし~、マコ~? 美結ちゃんもう寝ちゃった~起こしちゃったかな~?」
「ううん、大丈夫。今日は、珍しくわがままが出ちゃって、泣き疲れてグッスリ眠っちゃった。」
「そっか、やっぱり家でも、わがまま出ちゃったかぁ・・・あのね・・・」
何?、美結ちゃん保育園でも、やんちゃしちゃったの? う~ん、益々心配だ・・・
「永田駿君って知ってるよね?」
美結ちゃんが、大好きなイケメン園児だ・・・
「駿君の両親先月離婚しちゃって、駿君明日、お母さんの実家の有る鳥取に引っ越す事になったんだ。 そうしたら、美結ちゃんが離れたくないってシクシク泣き出しちゃって・・・」
う~ん、美結ちゃんにそこまで言わせるイケメン駿君、益々興味が湧いてきた。
「もう、会えないなんてヤダ~。美結も一緒に行く~って、大変だったんだから。 そしたら駿君も泣き出しちゃって・・・僕も美結ちゃん大好き~って」
あらら・・・私も体験した事無い相思相愛状態だったんだ・・・
「それで、駿君ったら、自分のハンカチをポケットから出して、これあげるから美結ちゃんの事ず~っと好きだからって・・・美結ちゃんの事忘れないって・・・」
「それでなのね、美結ちゃんサンモールのバレンタインコーナーで、チョコを今から駿君に渡しに行くって、やんちゃ言ってたのよ。」
「そうなんだ、美結ちゃんも思い出の品をあげたかったのかな? でも、もう渡せないね・・・」
「う~ん、でも明日松舞を発つんでしょ。だったら、明日の朝ならまだ間に合うかも・・・」
私は、日向ちゃんに駿君の住所を聞いて電話を切った。

こんなに幼くても、やっぱり女の子なんだね。
美結ちゃんの恋愛は成就させなくっちゃ、弥生に申し訳立たないよね。
私みたいな、恋愛未成就人生を歩ませちゃあいけないよね。
信じていれば、形はどうあれ又巡り会える事を・・・今、美結ちゃんに教えておかなければ、きっと美結ちゃんも私も後悔すると思う・・・
「まこちゃん・・・おしっこ・・・」
電話の声が大きかったのか、美結ちゃんがリビングにトコトコと現れた。
「美結ちゃん、トイレ行って手を洗ったら、一緒に駿君にあげるチョコ作ろうか。それで、明日の朝駿君に一緒に渡しに行こ・・・」
美結ちゃんの顔が急に明るくなった。
「あのね、みゆね、は~とのちょこ、つくりたい。でね、ぴんくのはんかちにつつんで、しゅんくんにわたすの」
「はいはい、美結ちゃんおしゃべりはトイレ行った後だよ。お漏らししちゃうと駿君に笑われちゃうぞ・・・」

子育てって、親が子を育てると同時に、子が親を育てるって、育児書で読んだ事がある。
そう、まさに今の美結ちゃんは、私にチョコを渡す勇気を与えてくれた。
高校時代、そして一度は諦め親友に譲った、木下君への思いを。


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