「村田先輩、今日お誕生日ですよね。おめでとうございます」
3時のコーヒーを、給湯室で入れていたら、事務所の女の子に声をかけられた。
「おっ?おお・・・良く知ってたな、友田さん。」
「そりゃあ、ず~っと1月21日誕生日だからって、聞かされてましたからね、村田先輩に。」
「あれ?そうだっけ?・・・(笑)」
「それで、今夜なんですが、何か予定入ってます?村田先輩」
こんばんは、洋介です。
―――――――――1月21日(木)―――――――――
友田さん・・・通称友さんは、去年短大を卒業して、うちの会社に就職した目のクリっとした、中々かわいい女の子です。
「今夜?特に用事は無いけど、どうして?」
「良かったら、駅前に出来た多国籍料理のお店に行きませんか? 折角のお誕生日なんだから、奢りますよ♪」
「マジ?でも、後輩に奢ってもらうのはなぁ・・・」
「その代り、2月の私の誕生日には、もっと良い店に連れて行ってもらいますからね。」
「うう・・・それって、ありがたみ薄いなぁ・・・でもまぁそう言う条件なら、まぁ良いかな。」
「じゃあ村田先輩、今日は残業無しですよ。」
そう言うと、彼女は廊下を歩いていった。
「お待たせ、友さん。いや~帰りがけに部長に捕まっちゃって・・・」
「大丈夫ですよ、それよりお腹空きましたぁ、早く行きましょうよ。」
そう言うと、彼女は僕の腕をつかんだ。
うっ・・・最近の若い子は、中々大胆ですね(^^ゞ
「村田先輩、折角の誕生日なのに、本当に予定無かったんですか?」
「あぁ、コンビニでケーキでも買って食おうかなって、思ってた位かな。ここ数年、誕生日なんてお祝いしてもらってないしな。」
「結構寂しい日常送ってますねぇ。」
「大きなお世話だ。そう言うお前だって、良いのか俺なんかと飲みに出てて、彼氏とかと行かないか普通」
「あ~、村田先輩。それセクハラですよぉ。どおせ私は寂しい一人身ですよ~だ」
「悪りい悪りい。しかし・・・へぇ~、友さん彼氏募集中なんだ。」
「そおですよ、白馬の王子様探してるんですけどね。村田先輩、紹介して下さいよ~。」
「ん~、目の前に良い男が居るじゃん」
「え~っ、私の目の前には、そんな人居ませんよ。変なオヂサンなら、一人居ますけどね(笑)」
「あっ、ひで~な。2月おごってやんないぞ、そんな事言うと。」
「ん~、お互い様ですよね。でも、村田先輩は彼女居ないんですか?」
うっ、居るっちゃあ居るんですが・・・。
「まぁ、居たとしても今夜は私のモノですからね、村田先輩は。」
そ・・・それって・・・どう言う意味に取れば、正解なんだ?
携帯の着メロが鳴った・・・未来予想図Ⅱ・・・日向からのメールだ。
「村田先輩、着メロ鳴ってませんか?」
「あぁ、でもこの着メロは家族からだから、無視して大丈夫。」
「とか言って、彼女からじゃないんですかぁ? だったら、携帯開かせませんよぉ」
こいつ、かわいい顔して、結構小悪魔だな~
「へぇ、結構落ち着いた感じの店だな」
店員に案内された席に着く。
「そうですね、メニューも一杯有りそうですよ。」
そう言いながら、友さんがメニューを僕の目の前に差し出す。
「先ずはビールだな。そっちもビールで良いか?」
「あっ、私、ビール苦手なんですよ。カクテル何が有ります?・・・じゃあ私カシスミルクお願いします。」
暫くして、ドリンクが運ばれてきた。
「それじゃあ村田先輩、ハッピーバースデー」
そう言って、グラスを鳴らす。
「ところで、幾つになられたんですか?」
「んっと、28だな。やばいぜ30代が目の前に迫ってきたな」
「また一つオジサンに近づいた訳ですね。」
「そっちだって、来月には一つオバサンになるんだろ。」
「失礼ですねぇ、私は来月また一つイイ女になるんですよ(笑)」
「なるほどね、じゃあ俺も同じだ。また一つイイ男に為ったって事だな。」
「う~ん、微妙ですねぇそれは・・・」
「・・・まぁいいかぁ・・・、何かつまみ頼もうぜ。」
「え~っと、初めての店ですからねぇ・・・あっこの鶏のから揚げ美味しそう。」
「じゃあ、鶏のから揚げと、このカルパッチョ頼もうか。後は?」
「今日は、私のおごりなんですから、村田先輩の食べたい物頼んで下さいよ。」
「そうかぁ、じゃあお言葉に甘えて・・・お~いおにいさ~ん」
「いや~すっかり御馳走になっちゃったな、友田さんに。」
「いえいえ、こっちこそ楽しかったですよ、村田先輩。良かったらこの先のショットバーに行きませんか?」
「俺はいいけど・・・友さんお酒弱いんだろ、大丈夫か?明日だって普通に仕事だぞ」
「私が酔い潰れたら、介抱してくれないんですか?村田先輩・・・」
「えっ?それって・・・それって・・・」
♪♪♪
突然、携帯が鳴りだした。
「もしもし、日向~?」
洋君です。
私ったら、洋君からのメールの返信がないから、又色々と妄想してたみたいですね。
「洋君、遅いよ連絡が。」
「悪い悪い。商談が長引いちゃって、残業だったんだよ。」
「ほんとに、残業? 会社の女の子と呑みに行ってたんじゃないの?」
「何だよそれ、俺にそんな暇が有ると思う? 事務所に帰ったら、もう全員帰宅した後で、寒い事務所で書類作ってたんだからな、こっちは。」
「ごめん洋君。連絡が無いから、心配になっちゃったんだ。本当にごめん」
「ったくぅ。俺の女は、日向だけだかんな。」
その言葉に涙が溢れそうになる・・・
「うん、ありがとう・・・そうだ、遅くなったけど、お誕生日おめでとう。」
「うん、ありがとう。また一つオジサンになってしまったけどな。」
「違うよ洋君、ひとつイイ男になったんだって。」
携帯の向こうで、プ~ッって吹き出すのが聞こえた。
「イイ男かぁ・・・日向ぐらいだよ、そう言ってくれるのは。」
「あら、私以外にも言ってもらいたいのかな?」
「いや、日向だけで十分だよ、俺は。ありがとうな。じゃあ電車来たから、とりあえず電話切るわ。」
「うん、気をつけてね。お疲れさま」
ふ~っ。
またまた、私の悪い癖が暴走しちゃったみたいですね。
洋君の事信用していない訳じゃないんですよ、彼の行動や周りの様子を聞く限り、浮気とかは本当にしてないみたいですから。
でも、偶に不安になっちゃいます。
本当にこのまま洋君の事を待っていて大丈夫なのかって。
遠距離恋愛の試練ですよね。
でも、これを乗り越えたら普通のカップル以上の幸せが掴めるような気がします。
だから、幸せを掴むその日まで、私は頑張りますよ。
って、誰に宣誓してるんでしょうね、私は(^^ゞ
さて・・・洋君が電車に乗ったって事は、1時間位は連絡が取れませんから、その間にお風呂でも入ってきます。
その後、思いっきり電話越しに、甘えてみようかな。
洋君が困ってしまう位に♪
3時のコーヒーを、給湯室で入れていたら、事務所の女の子に声をかけられた。
「おっ?おお・・・良く知ってたな、友田さん。」
「そりゃあ、ず~っと1月21日誕生日だからって、聞かされてましたからね、村田先輩に。」
「あれ?そうだっけ?・・・(笑)」
「それで、今夜なんですが、何か予定入ってます?村田先輩」
こんばんは、洋介です。
―――――――――1月21日(木)―――――――――
友田さん・・・通称友さんは、去年短大を卒業して、うちの会社に就職した目のクリっとした、中々かわいい女の子です。
「今夜?特に用事は無いけど、どうして?」
「良かったら、駅前に出来た多国籍料理のお店に行きませんか? 折角のお誕生日なんだから、奢りますよ♪」
「マジ?でも、後輩に奢ってもらうのはなぁ・・・」
「その代り、2月の私の誕生日には、もっと良い店に連れて行ってもらいますからね。」
「うう・・・それって、ありがたみ薄いなぁ・・・でもまぁそう言う条件なら、まぁ良いかな。」
「じゃあ村田先輩、今日は残業無しですよ。」
そう言うと、彼女は廊下を歩いていった。
「お待たせ、友さん。いや~帰りがけに部長に捕まっちゃって・・・」
「大丈夫ですよ、それよりお腹空きましたぁ、早く行きましょうよ。」
そう言うと、彼女は僕の腕をつかんだ。
うっ・・・最近の若い子は、中々大胆ですね(^^ゞ
「村田先輩、折角の誕生日なのに、本当に予定無かったんですか?」
「あぁ、コンビニでケーキでも買って食おうかなって、思ってた位かな。ここ数年、誕生日なんてお祝いしてもらってないしな。」
「結構寂しい日常送ってますねぇ。」
「大きなお世話だ。そう言うお前だって、良いのか俺なんかと飲みに出てて、彼氏とかと行かないか普通」
「あ~、村田先輩。それセクハラですよぉ。どおせ私は寂しい一人身ですよ~だ」
「悪りい悪りい。しかし・・・へぇ~、友さん彼氏募集中なんだ。」
「そおですよ、白馬の王子様探してるんですけどね。村田先輩、紹介して下さいよ~。」
「ん~、目の前に良い男が居るじゃん」
「え~っ、私の目の前には、そんな人居ませんよ。変なオヂサンなら、一人居ますけどね(笑)」
「あっ、ひで~な。2月おごってやんないぞ、そんな事言うと。」
「ん~、お互い様ですよね。でも、村田先輩は彼女居ないんですか?」
うっ、居るっちゃあ居るんですが・・・。
「まぁ、居たとしても今夜は私のモノですからね、村田先輩は。」
そ・・・それって・・・どう言う意味に取れば、正解なんだ?
携帯の着メロが鳴った・・・未来予想図Ⅱ・・・日向からのメールだ。
「村田先輩、着メロ鳴ってませんか?」
「あぁ、でもこの着メロは家族からだから、無視して大丈夫。」
「とか言って、彼女からじゃないんですかぁ? だったら、携帯開かせませんよぉ」
こいつ、かわいい顔して、結構小悪魔だな~
「へぇ、結構落ち着いた感じの店だな」
店員に案内された席に着く。
「そうですね、メニューも一杯有りそうですよ。」
そう言いながら、友さんがメニューを僕の目の前に差し出す。
「先ずはビールだな。そっちもビールで良いか?」
「あっ、私、ビール苦手なんですよ。カクテル何が有ります?・・・じゃあ私カシスミルクお願いします。」
暫くして、ドリンクが運ばれてきた。
「それじゃあ村田先輩、ハッピーバースデー」
そう言って、グラスを鳴らす。
「ところで、幾つになられたんですか?」
「んっと、28だな。やばいぜ30代が目の前に迫ってきたな」
「また一つオジサンに近づいた訳ですね。」
「そっちだって、来月には一つオバサンになるんだろ。」
「失礼ですねぇ、私は来月また一つイイ女になるんですよ(笑)」
「なるほどね、じゃあ俺も同じだ。また一つイイ男に為ったって事だな。」
「う~ん、微妙ですねぇそれは・・・」
「・・・まぁいいかぁ・・・、何かつまみ頼もうぜ。」
「え~っと、初めての店ですからねぇ・・・あっこの鶏のから揚げ美味しそう。」
「じゃあ、鶏のから揚げと、このカルパッチョ頼もうか。後は?」
「今日は、私のおごりなんですから、村田先輩の食べたい物頼んで下さいよ。」
「そうかぁ、じゃあお言葉に甘えて・・・お~いおにいさ~ん」
「いや~すっかり御馳走になっちゃったな、友田さんに。」
「いえいえ、こっちこそ楽しかったですよ、村田先輩。良かったらこの先のショットバーに行きませんか?」
「俺はいいけど・・・友さんお酒弱いんだろ、大丈夫か?明日だって普通に仕事だぞ」
「私が酔い潰れたら、介抱してくれないんですか?村田先輩・・・」
「えっ?それって・・・それって・・・」
♪♪♪
突然、携帯が鳴りだした。
「もしもし、日向~?」
洋君です。
私ったら、洋君からのメールの返信がないから、又色々と妄想してたみたいですね。
「洋君、遅いよ連絡が。」
「悪い悪い。商談が長引いちゃって、残業だったんだよ。」
「ほんとに、残業? 会社の女の子と呑みに行ってたんじゃないの?」
「何だよそれ、俺にそんな暇が有ると思う? 事務所に帰ったら、もう全員帰宅した後で、寒い事務所で書類作ってたんだからな、こっちは。」
「ごめん洋君。連絡が無いから、心配になっちゃったんだ。本当にごめん」
「ったくぅ。俺の女は、日向だけだかんな。」
その言葉に涙が溢れそうになる・・・
「うん、ありがとう・・・そうだ、遅くなったけど、お誕生日おめでとう。」
「うん、ありがとう。また一つオジサンになってしまったけどな。」
「違うよ洋君、ひとつイイ男になったんだって。」
携帯の向こうで、プ~ッって吹き出すのが聞こえた。
「イイ男かぁ・・・日向ぐらいだよ、そう言ってくれるのは。」
「あら、私以外にも言ってもらいたいのかな?」
「いや、日向だけで十分だよ、俺は。ありがとうな。じゃあ電車来たから、とりあえず電話切るわ。」
「うん、気をつけてね。お疲れさま」
ふ~っ。
またまた、私の悪い癖が暴走しちゃったみたいですね。
洋君の事信用していない訳じゃないんですよ、彼の行動や周りの様子を聞く限り、浮気とかは本当にしてないみたいですから。
でも、偶に不安になっちゃいます。
本当にこのまま洋君の事を待っていて大丈夫なのかって。
遠距離恋愛の試練ですよね。
でも、これを乗り越えたら普通のカップル以上の幸せが掴めるような気がします。
だから、幸せを掴むその日まで、私は頑張りますよ。
って、誰に宣誓してるんでしょうね、私は(^^ゞ
さて・・・洋君が電車に乗ったって事は、1時間位は連絡が取れませんから、その間にお風呂でも入ってきます。
その後、思いっきり電話越しに、甘えてみようかな。
洋君が困ってしまう位に♪