松舞ラブストーリー

山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね

2011年06月

「ご主人様ぁ[emoji:e-266]今晩泊りに行っても良いですかぁ?[emoji:e-349]」
携帯に、詩音の甘えた文面のメールが届いていた。
「俺、残業かもしれないから、合鍵で勝手に部屋に入ってて良いよ」
そう返信した。
相変わらず、二人の時はご主人様と呼ばれてます、こんばんわ旧名、御主人様28号こと、隆文です。
―――――――――6月24日(金)―――――――――
詩音が、社会人となって3カ月近くが経ちました。
震災の影響で採用取り消しになるんではと、懸念していましたが、特にそんな動きもなく入社日を迎えたみたいです。

それはそうと詩音が、また最近甘ん坊になってきたんですよ♪
きっと、また社内の人間関係とか、愚痴をこぼしたいんでしょうね。
こっちも、会社の仕事や人間関係で毎日疲れているんですが、詩音をおざなりにする訳にはいきません。
自分の事は二の次にして、詩音の相手をしてやろうと思います。
まぁ、詩音と一緒に過ごす時間自体が、僕にとっては一番の治療薬ってのもありますしね♪

そうと分かれば、サクサク仕事をこなして、少しでも早く帰れる様に
しなきゃいけませんね。
後は、提案書を仕上げて部長の認めを貰えば、それを先方に届けて数件顧客訪問・・・帰社して、溜まった営業報告を仕上げる・・・うわぁ、こりゃ簡単に終わりそうも有りませんね(^_^;)


「それじゃあ、ご提案させて頂いた事案の方、何卒よろしくお願い致します」そう言って、事務所のドアを閉めた。
とりあえず、提案書の提出まではスムーズに終わりました。後は帰って、事務整理ですね。
時計は、5時になろうとしています。
この先の時間計算をすると、退社出来るのは早くても11時を回りそうです。

残業確定を詩音にメールしておこうと、携帯を取り出すと、着信履歴が着いていた。
会社からの着信です・・・何か嫌な予感がします。
少しブルーが入りますが、かと言ってスルーする訳にもいきません。

「あっ、もしもし村下です。お疲れ様です。携帯に着信入ってたんですけど? はい・・・」
電話の向こうで、事務の女の子が電話の主を探しています。
[もしもし村下さん、部長が電話したそうですけど、今、他の電話に出ておられます・・・あっ、ちょっと待って下さい、電話終わりそうです]
保留音を聞きながら、電話を折り返した事を後悔した。
どうせ、部長の事だから、面倒臭い仕事を押し付けるつもりなんだろう。
益々、退社が遅くなってしまいますよ、これじゃあ

[もしもし、村下君?  おう、提案書どうだった?]

「営業部長に目を通して頂きまして、OK頂きました。最終的には常務の決済が要るとの事で、週明けにこちらから確認する事になってます。」

[そうかそうか、お疲れさん。 お前まだ、横浜だろ? すまんが、その足で鎌倉の○○物産に行って来てくれんか?]

「鎌倉ですか?」

[あぁ、ちょっと手違いが有って、商品の中に破損品が入っていたらしい。回収がてら、断りに行って来てくれ]

「あの担当が扱い難い?」

[そうだ、例の○○物産だ、丁寧に対応頼んだぞ。詳細は、お前の携帯にメールするから。それが終わったら、直帰していいぞ今日は。]

「直帰ですか?でも、部長に提出する営業報告作らなきゃいけないですから、帰社します。」

[それは、来週入ってからで良いぞ。とにかく、先方対応に全力で当たってくれ]

「は、はぁ・・・分かりました。じゃあメール待って対応します。」

直帰出来るのは嬉しいんですが、○○物産の担当者って相当気分屋で扱い難いって、誰もが言うんですよね。
しかも、うちの上得意さんだから下手な対応は出来ないですし。
部長自ら電話してきたって事は、部長自身のミスなんでしょうね。
対価としての直帰は、割りに合わない様な気もします。




「それじゃあ、申し訳ございませんでした。失礼致します。」

僕は逃げる様に○○物産を出た。
担当の気分が変わらないうちに、ここから離れたい気持ちで一杯だった。
正直言って、担当の機嫌が良かったのはラッキーでした。
「さっき、お宅の部長さんから電話有ったよ。明日の朝には、代替品届くんだってな。 破損品?おう、これな。次からはちゃんと頼むよ。」そう言うと、担当者は事務所の奥に消えていった。

部長に結果報告の電話を入れ、駅へと向かう。
まだ、6時半です。このまま直帰となれば、乗り換えなしの1時間ちょっとでアパートに帰れます。
ラッキーが重なりましたね、これは♪
詩音に、7時半にはアパートに帰っている事をメールする。


ホームで電車待ちの間にメールの返信が届いた。
[ご主人様、[emoji:e-266]お仕事お疲れ様ですぅ、[emoji:e-423]ニャンニャン。[emoji:e-251]詩音は、急用が有るって定時退社してしまいました[emoji:e-282](私、悪い子でしょうか?[emoji:e-465])。今、駅[emoji:e-341]を降りてご主人様のアパー[emoji:e-514]トに向かって歩いてますよ。[emoji:e-330] アパートの冷蔵庫さんと相談してから、夕ご飯のお買い物[emoji:e-290]に出掛けてこようと思いますが、何かリクエスト[emoji:e-430]はございますか、ご主人様?[emoji:e-51]]

・・・いつも以上に甘えた感じのメールです。
そりゃ相当ストレスが溜まってそうですね(^_^;)
[詩音の作る料理なら、何でもOKだよ。明日の朝ご飯は、久しぶりに駅前の喫茶店でモーニング食べようか。最近、新メニューでバゲットサンドが加わったよ。]そう、メールを返信する。


電車が来るまで、あと3分
それまでの時間、ゆっくり詩音の事を考えていようかな。
真剣に考え事をしている顔、ちょっと怒った顔、詩音の笑顔、笑い声、甘えた上目遣い、甘く切ないの吐息・・・

そして僕の中に、す~っと詩音が流れ込んできた。


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「じゃあ、元気でね」私は精いっぱいの意地を張り、気丈に振舞い、小雨の中傘も差さずに歩く彼に、小さく手を振った。
―――――――――6月16日(木)―――――――――
喧嘩の原因は、お互い仕事が忙しく、すれ違いの日々が続いたのが発端だった。

ふっと出たセリフに、黙り込んでしまう彼。
違う。私が言いたいのは、そんな事じゃなくて・・・
弁解しても、もう遅かった。
テーブルの上の冷めたカフェオレが、沈黙の時間を物語っていた。
「もう、これで終わりにしよう。お前とは、やっていけない。」
沈黙の中、彼の方から切り出した。


静かに玄関を出て行く、彼。

カギを閉めに玄関に出てみると、傘立てに彼の半透明の傘が刺さったままだった。
傘を手に、慌ててマンションのエントランスに下りる。
彼は、ガラス戸の向こうで、ぼんやり空を眺めている。
「ほら、傘。忘れ物。」そっけなく、傘を差し出す。
「いいさ、要らないから捨ててくれ」
そう言い、彼は雨の中を歩き始める。

「じゃあ、元気でね」私は精いっぱいの意地を張り、気丈に振舞い、小雨の中傘も差さずに歩く彼に、小さく手を振った。

小さく手を降るのは、まだ別れたくないって気持ちが有るからだろうか?
大きく手を振ってしまうと、本当にこれっきりになりそうな気がして・・・

一度も振り向かない、彼
もし今、彼が振り返ったら、きっと私は彼に駆け寄り、人目も気にせず泣き付くかも知れない。
通り過ぎる車の助手席の女性が、怪訝そうに私を見つめている。

もういい。
こんな事してたって、一度離れてしまった彼の気持ちが戻ってくるとは、思えない。
振り続けていた右手をゆっくり下す。
同時に、自分がすごくちっぽけな存在に思えてきた。
ちっぽけな存在だからこそ、大きく手を振らなきゃ、本当に自分が居なくなる気がする。

「これが最後」自分にそう言い聞かせる。
少し大きくなった自分を、彼の後ろ姿に見せたかった。
下ろした右手を、大きく振り上げる。
随分小さくなった彼に、精いっぱいの思いを込めて手を振った。


ひとしきり強く雨が打ち付け始めた。
雨で霞む彼が、こっちを振り返った。
そして、ゆっくりと私の方に走り出した。



「ん? 日向、話聞いてる? あっ、また妄想してたな」
「えっ? 違うって」
一度だけ洋君の横顔を見つめ、もう一度窓の外に目をやる。
さっきのカップル、どうしちゃったんだろ?

小雨の中傘も差さずに歩く男性。
マンションのガラス戸に寄り添うようにしながら、小さく手を振る女性。
気になります、私の妄想癖を刺激されます。

走り寄ってきた彼が、傘を受け取りもう一度歩き出したりして・・・
オイオイ、それじゃ笑い話じゃん(^_^;)



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「お世話になりました」そう言いながら玄関の扉を開ける。
しばらくして美結ちゃんが、ランドセルを背負って駆け寄ってきた。
「真子ちゃん、お帰りなさい」
「はい♪美結ちゃん、ただいま」
今年から、美結ちゃんは小学生です。舌足らずだった発音も、随分と治りました(笑)
・・・子供の成長って早いですね、こんばんわ真子です。
―――――――――6月10日(金)―――――――――
本家の叔母さんに、子守りのお礼を言って玄関を閉める。
授業が終わったら学童保育、そして夕方本家のお孫さん美夏子ちゃんと一緒に下校して、そのまま本家に預かっていただいてます。


「美結ちゃん、今日もお弁当ちゃんと全部食べたかな?」
「うん、今日のお弁当のピカ○ュー、可愛かったよ」
「本当? じゃあ、明日は誰にしようかなぁ♪」
「美結ね、ミッ○ーマウスが良いなぁ」
・・・それって、基本白と黒ですね、楽出来るかも。
キャラ弁作りも随分と慣れてきました。
調子に乗って、幸一の弁当までキャラ弁する事も有ります(本人は会社の女の子に笑われたっと怒ってます)


わが家の玄関を開け、「ただいま」って二人で声をそろえて言う。
そんな、小さな事にも幸せを感じてしまう、そんな自分嫌いじゃ有りません。

リビングに行こうとする美結ちゃんに、声をかける。
「美結ちゃん、お母さんにただいま言ったかな?」
玄関横の部屋の電灯を点け、仏壇の前に美結ちゃんを坐らせ、その後ろから抱え込むように私が坐る。
美結ちゃんが鐘を鳴らし、何やら拝んでいます。
(弥生。今日も一日、美結を見守ってくれてありがとう。)
私も手を合わせて、そう心の中で呟く。


キッチンに続くリビングには、美結ちゃんの学習机が置いて有ります。
2階の美結ちゃんの部屋に置くのが、筋なのかも知れませんが、出来るだけ皆で一緒に過ごす時間を増やしたいと考えた結果、2階の美結ちゃんの部屋は遊び場兼寝室で、勉強はリビングっと言う事に決まりました。

「じゃあ先ずはお弁当箱ちょうだい。それと、今日は何かプリントもらってきた?」
「え~っとね、3枚有るよ」ランドセルを覗き込み、ごそごそとプリント入れを取り出しています。
「ふ~ん授業参観かぁ。そう言えば保育園の時に、お父さん、美結ちゃんがお遊戯している所、見に来た事有ったっけ?」
「ん~っとね、一度だけ有ったかな。保育所の後、サンモールでご飯食べたよ」
「・・・そうか、土曜日に確かあったわね。『今度、美結ちゃんが勉強している所を見に行て』って学校からお手紙来ているけど、お父さんと真子ちゃんと、どっちが行った方が良いかな?」
「う~ん両方~♪」
「それはちょっと困ったなぁ(^_^;)」
「じゃあ、真子ちゃん。真子ちゃんの方が、恥ずかしくないから」
「そうかぁ、お父さんに見られるの恥ずかしいかぁ」
「違うよ~ 『あれが美結ちゃんのお父さん?』って、みんなが聞くから、恥ずかしい」
・・・微妙な理由ですね。
気持ちは分かるけど、ここは言っておかなければいけませんね。
「あ~っ、そんな事言ったら、お父さん泣いちゃうよ美結ちゃん」
「うん分かったぁ。もう言わない。」
そうそう、子供は素直が一番!
「だって、お父さんの泣いた顔、変だもん。」
・・・負けました

「うっ・・・さて、真子ちゃんが夕ご飯作ってる間に、宿題やってしまうのよ」
「うん、さっきまで美夏子ちゃんと、お勉強していたから、もう少しで終わるぅ」
「そっか、じゃあ楽勝だね。真子ちゃんも頑張って夕ご飯の支度しなきゃ」
「美結、お勉強が終わったら、料理手伝うぅ」

「・・・真子ちゃん、レタスちぎるのこれでOK?」
「あら、上手に出来たわね、ありがとう美結ちゃん」
考えていた以上に、細かくちぎってありましたけどね(^_^;)
「じゃあ次は、お茶碗の準備お願いしま~す」
「は~い♪」
「そうだ。お父さんはお仕事で遅くなるから、先に夕ご飯食べておいてって、メールが来たよ。」
「残業とか言いながら、どこかで合コンしてないわよね」
あんたは本当に小1なの?って突っ込みたくなる位、美結ちゃんの突っ込みがレベルアップしています。
「ちがうよ美結ちゃん。お父さんは、ちゃ~んとお仕事してるって(多分だけど)」
「じゃあ、このお父さんの分のコロッケ、冷蔵庫に入れておくぅ」
「そうね、お願いします♪」

「いただきます」「いただきま~す」
手を合わせ、二人で合唱する。
結婚前から、同じ事をしてきたはずだけど、今の「いただきます」は、あの頃の「いただきます」とは少し違う、そんな気がしてなりません。
世話をしてくれる真子ちゃんから、もう一人のお母さん真子ちゃんになっている訳ですから。

美結ちゃんとお風呂に入り、2階の寝室で一緒に横になって、色々なお話を話して聞かせている。
美結ちゃんは、みぃちゃんとラビ君の冒険話が大好きです。
即興話だから、支離滅裂なストーリーなんですけどね(笑)

弟3話の途中で、美結ちゃんは眠りにつきました。
そっとベッドを抜け出し、1階に下りる。
時計は10時を回ってます。
携帯をチェックしてみたけど、幸一からの連絡は入っていませんでした。

パソコンを立ち上げ、こっちのメールもチェックする。
・・・日向ちゃんから、メールが来ていました。
メールボタンをクリックした時、庭に車が止まる気配がしたので、玄関に出てみる。
程なくして、「ただいま~」って元気に玄関を開ける音が。

「幸ちゃん、お帰りなさい」そう、言いながら幸ちゃんの首に抱きつく。
「毎度の事だけど、やっぱり一瞬焦るよな」そう言いながら、幸ちゃんは唇を寄せてくる。
(んっ?)
「ちょっと幸ちゃん、お酒臭~い」
「あぁ、接待に付き合わされてな。だから、列車に乗って駅からはタクシーで帰ってきた。」
・・・「呑み」という点では、美結ちゃんの直感が当たってる?
「そっか。・・・まさかして合コンじゃないわよね?」
「ごっ合コンって。・・・・・・・・・あのなぁ~。」
・・・妙な間が有りましたが、深く追及するのは布団の中でにしましょう(^-^)

「じゃあ、夕ご飯はどうする? 今夜はコロッケよ」
「あ~明日の朝食べるわ。それよりコーヒーでもいれてもらえるかなぁ」
「うん。じゃあその間に着替えておいてね。美結ちゃん寝てるから、静かに階段上ってね」
「おう、分かった」


「美結のやつ、布団跳ね退けて寝てたぞ。あの寝相の悪さは俺似だな(笑)」
「そうね(笑) あっ、ねぇ。ちゃんとお布団掛けてあげた?」
「もちろん。この時期、夜は暑いけど、明け方はまだ寒いもんなぁ」
「そうよぉ、今朝だって幸ちゃん、布団を一人占めしてたんだからね。もう少しで風邪ひくところだったわよ」
「そうか。悪い悪い」
「コーヒー入ってるわよ。あっ、その前にお弁当出しておいてね。」
「おう、ごちそうさまでした。」

・・・そう言えば、美結ちゃんもお弁当箱出してなかったわね
美結ちゃんの手堤かばんから、お弁当袋を取り出す。
袋を開けると、お弁当箱の上にお手紙が乗っていた
「?」
そこには、小さな文字で[ごちそうさまでした。いつもお弁当ありがとう]って書かれていた。
・・・美結ちゃんなりに、気を使ってくれているんですね。
明日は休みなんだし、一緒にケーキでも焼きましょうか♪

コーヒーカップを持って、パソコンの前に座った幸ちゃんが、話かけてきた。
「真子~ 緑川から届いてるぞ~」
「あぁ、うん。幸ちゃんが帰って来たから、まだ読んでないんだ」
美結ちゃんの手紙を仕舞い、幸ちゃんの横に座る。
「え~っと、なになに?」

[真子ちゃん、こんばんわ。 美結ちゃん元気? ついでに木下君も元気かな? こっちは、神戸の生活に少しは慣れてきましたよ。 洋一は、まだ就職が決まらず専業主夫状態です。 就職早く決めてもらいたいのは山々ですが、家事全体の心配をしなくて良い生活も、中々捨て難い気もします。愚痴はこれ位にして、最近ブログ始めました。タイトルは「僕と彼女の日々」(^_^;) 知らない間にブログ始めてたから、タイトルに関して私はノータッチですよ。まぁ、管理人は洋君だし。アドレスはhttp://bokukano.doorblog.jp/です。本当はツイッターやFace bookとかもやってみたいんですが、それは次の段階にしようと思います。まぁ、暇な時にでも覗いて見てね。それと、本当に暇だったら皆で神戸に遊びに来て下さいね。ではでは、またメールします。日向より]

早速、ブログに飛んでみた。
「へぇ~これ、日向と村田さんのブログ? いいなぁ、俺たちも始める?」
「いやぁ~、それは勘弁だよ幸ちゃん。松舞じゃあ、すぐに誰なのかばれそうだし、ネタ切れで更新しなくなるのがオチじゃない?」
「まぁ、確かにそうなのかもしれないなぁ・・・」

・・・ふぅ~適当に話をごまかせましたね。
実は、パソコンだと洋君にばれちゃうから、携帯ブログを立ち上げてます。
もちろん、洋君や知り合いには内緒です。
唯一知っているのは、美結ちゃんのみ・・・って言うか、美結ちゃんも私が手伝って記事を書いてます。
これは、二人だけの女同士の小さな秘密です♪


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「ちょっとぉモリヒデ、いつまで待たすつもり?」
あいつにしては珍しく、待ち合わせ時間に遅刻です。
まぁ待ち合わせって言っても、同じアパートなんですけどね。
今日は梅雨も中休みみたいで、気持ちいい青空が広がってます。 こんにちは、カナカナです。
―――――――――6月5日(日)―――――――――
「おう、悪い悪い。なかなかネクタイがビシッと決まんなくてさ」
「うわっ、何?そのネクタイの結び目。もう、子供じゃないんだから、ネクタイ位結べる様になりなさいよ」
「んな事言ったって、今までネクタイ絞める機会無かったじゃんか。仕事だって作業服で出勤だし」
「んもう、言い訳ばっかりなんだから。」私は、モリヒデの首にぶら下がっている不格好なネクタイを解き、結び直し始める。

あ~、こんな事なら「イメージ掴む為に、やっぱりネクタイで出掛けなきゃ」なんて言わなければよかった。
今日は、雲山の紳士服屋に買い物に出掛ける約束なんです。
先月の先輩の葬儀で、礼服の必要性を痛感したみたいです。
今月末には小村さんの結婚式が有るし、お盆には成人式だって有ります。・・・松舞は田舎なので、学生が帰省している夏休みに成人式が有るんですよ(^_^;)

「ほら、これでOKよ」
「おほっ、本当だ・・・んっ? 何だ健太、ニヤニヤして・・・何か用か?」
「いや・・・別にぃ」
「ハイハイあんた達、思春期の男の子が居るんだから、昼間から堂々と玄関先で、いちゃつかないでよね。」
「いや、お母さん。私は別にモリヒデと、いちゃついてる訳じゃなくて、こいつがネクタイ一つ結べないから、直してただけだかんね」
「そうですよ小母さん。なんでヒグラシ何かと、いちゃつかないといけないんですか!」
「あら?森山君は、うちの佳奈絵じゃ役不足だって言うの?」
「えっ?いや・・・あの~その~」見る見るモリヒデの顔が真っ赤になっていきます。
「ほらほら玄関で突っ立ってないで、さっさと行きなさい。ちゃんと安全運転で行くのよ、二人とも」お母さん、そう言いながらクスクス笑ってます。


階段を下り、駐車場に向かう。
車の前に立ち、考え事をしているモリヒデ。
その姿を何気なく見つめる。
モノトーンのワイシャツに、チノパン。
確かに、モリヒデが滅多にする事の無いファッションですね・・・微妙にFOGで髪も決めちゃってますし(笑)

振り返ったモリヒデに、不覚にもドキッとしてしまった。
だって、風になびくネクタイが、大人っぽくて男っぽくって(男なんですけどネ)
さっきのネクタイを絞めているシーンを思いだした。
あ~やって、毎朝モリヒデを送り出すんだろうか私?
ほっぺたがほてっているのが自分でも分かる位、赤くなってきました。

「んっ? どうしたヒグラシ?」
「べっ別に・・・ それより、どうしたのモリヒデ? 早く出掛けよ」
「いや、それが・・・車のキー忘れて来ちゃったわ」
そう言いながら階段を駆け上がるモリヒデ

・・・そうよね~ これがモリヒデの本当の姿だよね(=_=;)
でも、そんなモリヒデも大す・・・ううん、何でもない、何でもないです・・・何でもないですってぇ(^_^;)



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