松舞ラブストーリー

山陰の仮想の町松舞町を舞台にした、様々な恋愛を見守ってやって下さいね

2011年07月

「おはようございます、森山先輩」
僕は、会社の駐車場で森山さんに挨拶をした。
「お~竹下、どうだった?ちゃんと大人になったか?」
「いきなりその話題すか?」

「おっす森山。何を朝から騒いでるんだよ」
僕の背後から、小村先輩の声がした。
「あっ、小村先輩おはようございます。」
「おっ、竹下じゃん。男になったかぁ」

いや、二人とも爽やかな顔して、どうしてそんな話出来るんですか(^_^;)
おはようございます、竹下です。
―――――――――7月19日(火)―――――――――
「そうだ小村さん聞いて下さいよ、竹下の彼女って23歳なんですって」
「おっ、姉さん女房かぁ・・・いいなぁ、色々彼女に手ほどき受けたんだろうなぁ?」
「『いいなぁ』って小村さん、今の発言は問題ですよ。良いんですか、美咲さんにチクっても?」
「馬鹿、嫁さんの耳に入ったら、小遣いカットされてしまうだろうが」

・・・うまい具合に話題が擦り変わったみたいですね。

「・・・んで結局のところ、どうなんだよ竹下?」
うわっ森山さん、まだその話題引きずってたんですか?
「ぼ、僕らは清い付き合いですから」
・・・一応、夜の必需品は準備してましたけど(^_^;)

「そんな事言って。実は彼女の方は期待してたんじゃないか?」
「えっ? マジですか? そんなもんなんですか?」
「おい森山ぁ! お前どう言う教育してんだよぉ! 竹下の奴、マジで何もしてないみたいだぞ。」
「いや、俺はちゃんと教育しましたよ、いつか小村さんが俺に言ったみたいに」
「んっ?俺何か言ったっけ?・・・・・・あぁ、あれか?『後ろは初心者にはハードルが高いから、最初は真ん中にしておけ』って奴?」
「そうそれっす。俺、今でもちゃんと、言いつけを守ってますよ」
う~ん、この二人は、朝から何て会話をしているんでしょう(^_^;)

・・・でもマジで、二人が喜びそうな事してないですよ・・・三泊中金曜の夜と日曜の夜は車中泊でしたし、土曜はそれぞれのテントで寝てましたからねぇ
まぁ、正確には日曜の夜は、少し良い雰囲気だったんですけどね。
あの時のカヲルさんのセリフは、さっきの小村先輩の話じゃないですけど、マジだったんでしょうか、僕にアプローチをかけていたんでしょうかねぇ?



「ふう~、何とか本州に戻れましたね。これで最悪、高速が通行止めになっても、下道で島根に帰れますね。」
「そうね純君。あっ、そろそろ運転変わろうか?」
「まだ大丈夫ですよ、カヲルさん」
「でももう0時回ってるし、子供はオネムの時間でしょ。」
「あ~また、子供扱いする~」
「んふっ、ゴメンゴメン。でも、そろそろ二人とも、マジで寝る事考えなくっちゃね」
「あ~、そうですね。別に無理して松舞に帰る必要ないですもんね。どうします、一度高速降りてホテルでも探します?」

「ホテルぅ?」
「いっ・・・いやっ、別に変な意味じゃないですよ。普通に寝るだけですから。」
「・・・な~んだ普通に眠るだけなんだ、残念。お姉さんが色々教えてあげたのに」
「なんっすかカヲルさん、その意味深なセリフはぁ」
僕は、少しほっぺたを膨らませた。

「ゴメンゴメン、怒った純君?」
「別に怒ってなんかないっすよぉ。ただ、返答に困っただけですぅ」
「ふふっ、耳まで赤くなってるよ純君、可愛いんだから」
「んもう~。また、子供扱いするんだから とりあえず、次のパーキングで車停めますよカヲルさん」
「うんOKだよ」


今からホテル探そうにも、チェックインの時間帯は終わっていますし、ファッションホテル探そうにも見つかる可能性は低いし、空室が有るとも限りませんので、結局高速のパーキングで車中泊する事になりました・・・非常に残念です(>_<;)

「んじゃあ、カヲルさんおやすみなさい。」「おやすみ、純君」
僕らはそれぞれ寝袋に包まった。

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・
「う~ん、いざ眠ろうと思うと、逆に眠れないものね。こんな事なら、冷たいビール買っておけばよかったね・・・あっ、でも純君は未青年だから飲めないね」
「んもう、どこまで子供扱いすんですかぁ。誰です昨日の夜、先に酔っぱらってしまって、僕にビールを飲め飲めって絡んできたのは? おかげで、500mlを3本も飲んだんですよ」
「あ~? そうだったっけ?」
「そうですよぉカヲルさん」

「ゴメンゴメン それより、本当に眠れそうにないわぁ・・・」
「どうします? 温くなったビールなら、ザックに2本残ってますよ。つまみも適当にナッツやチョコが残ってますし」
「そうね、仕方ないけどそのビール飲もうか・・・あっねえ、あそこの自販機にジンジャーエール置いて無いかなぁ?」
「見てきましょうか? でも、ジンジャーじゃ眠くならないですよ」
「分かってるわよ、そんな事。とりあえずジンジャーかコーラ辺り買ってきてよ。その間に宴会の準備しておくから」
う~ん、ジュースなんか飲んでどうするんでしょう?


「ジンジャーエール有りましたよ、カヲルさん」
「おっサンキュー、じゃあカップ持っててね。・・・こうしてビールとジンジャーエールを半分づつ注げば、少し温いけどジンジャーガフの出来上がり~」
「マジですか? ジンジャーエールにビール?」
「あら、これはちゃんとしたカクテルなのよ純君。とりあえず、乾杯しよ乾杯」

まぁ温かくなったビールを飲む事思えば、冷えているだけマシですかね。
僕は、カップに恐る恐る口を付けた・・・
「おっ、旨いじゃん、これ。さすが伊達に歳食ってませんね」

「何よ、その『歳食ってない』って? 子供扱いする仕返しのつもり?」
「違います違いますって。褒めてるんですよ・・・多分ですけど(^_^;)」
「・・・まぁ良いわぁ。あのね、このカクテルは、私が良く飲みに行くカクテルバーのマスターに教わったの。甘苦くって、美味しいでしょ。他にもトマトジュース割や、レモン絞ったカクテルだって有るのよ」
「マジっすか、それ?」
「意外と美味しいんだよ。まぁ、大人の味かもね」
「あっ、また子供扱いしようとしたでしょう」
「違うわよ違う・・・ほら、どんどん飲んだ飲んだ。」

「未青年にアルコールを勧める医療関係者って、どうなんっすか?」
「酒は百薬の長っていうじゃないのぉ。そもそも、私と初めて会った日には、もう飲んでたじゃないのよぉ純君はぁ」
あ~、カヲルさんったら、もう酔い始めてますね(^_^;)

「いつか純君と、その店で呑んでみたいなぁ。・・・当分先の話になるけどね。」
「はいはい、それまでしっかり僕の面倒見ていて下さいよカヲルさん」
「う~ん、それは純君次第かな。純君こそ、しっかり私に尽くしなさいよ」
「何で急に、女王様口調なんですか?」
「そうよ、私は女王様よ。さぁ下僕よ、私の登山靴を舐めなさい」
「んもう~カヲルさん、完全に酔っぱらってますね。」
「何よ、下僕の分際で生意気よ。そんな下僕には、鞭打ちの刑よ。エイッ」
「痛てっ! カヲルさん、細引きを振り回さないで下さいよ、結構痛いですよ、それ。」
「下僕のくせに、女王様に命令するとは何事よ。そんな悪い子はお尻ペンペンしちゃうから。」
「うわっ、女王様プレイの後はチャイルドプレイですか・・・って、マジで僕のクライミングパンツを脱がそうとしないで下さいよ」
「まだ、この私に命令をするのか、この下僕はぁ」

僕は、がっちりとカヲルさんにホールドされてしまった。
「うわっ、カヲルさんマジたんまっす。ビールがこぼれちゃいますって」
「う~ん気にしない気にしない。さぁ、ズボン脱いでお尻を出しなさいよぉ」
「わぁ~そんなに暴れたら、周りの車からカーセックスしてるって、勘違いされますよカヲルさん」
「良いわよ、本当にやっちゃおうかカーセックス」

「もう~、本当に酔っぱらってるんですからぁ」
「私は平常心よ純君。さぁ、諦めてズボン脱ぎなさい」
「だからイヤですって。今度シラフの時にゆっくりしましょうよ」
「『しましょうよ』って、一体何をするつもりなのよぉ」
「いや、だから・・・その・・・」
「ふふっ。少年がまた真っ赤になった、可愛い」
そう言いながら、カヲルさんは悪戯っぽく、僕にキスをした

・・・・・・

一度唇を離し、お互いの瞳を見つめ合う
そして、僕らはもう一度キスをした。

・・・・・・「カヲルさん? あの~、どうしちゃったんでしょう僕達」
「・・・・・・馬鹿、純君の馬鹿。もう知らない。ふぁ~あ、眠くなってきたから、私寝るわね」そう言いながら、カヲルさんはシュラフに潜り込んだ。
その瞬間、カヲルさんの顔は真面目な表情だった。



あの時のカヲルさんの表情は、一体何を意味しているんでしょう?
ひょっとしたら、本当に小村先輩の言う通りなのかもしれないですね。
・・・でもまぁ、そう言う事って偶発的に起こるよりも、もっとロマンチックに事を進めて行きたいですよね・・・って、僕だけでしょうか?


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高速のパーキングに止めた車の中で、僕らは目覚めた。
「おはよう純君。結構、風も出て来たね」
「そうっすねぇ 夜中、車体に穴が開くんじゃないかって位の雨が降ってましたしね・・・やっぱり、予定を切り上げて土佐大正に戻って正解でしたね。」
そう言いながら僕らは、寝袋の中から這い出した。
おはようございます、竹下です。
―――――――――7月18日(月)―――――――――
昨日の夕方の時点では、まだ雨降りそうな感じは有りませんでしたが、天気予報をチェックしてみると夜半から雨・・・しかも、結構まとまった量が降るって事でしたので、朝の約束通りJRで土佐大正の駅へとUターンしました。
車に戻ったのは20時過ぎ、寝るには早い時間ですし、取りあえず行ける所まで戻ろうという話になり、土佐大正の道の駅を後にしました。

途中のパーキングで、遅めの夕ご飯を食べ始めた位から、ポツポツと雨が降り始めました。
「とうとう降りだしましたね」僕はレストランの窓越しに、外を眺め呟いた。
「そうね。やっぱり、判断は間違ってなかったね」
「年の功って奴・・・いや、何でもないっす」
「ふ~ん・・・純君、そんな事言っちゃうんだ、良いわよぉここから歩いて帰っても。」
「ううう・・・勘弁っす。」さり気無く、窓の方にもう一度視線をずらしてみる
窓ガラスに叩きつけられた雨粒が一筋、街灯の光を反射しながらスーッと静かに、ガラスを伝って流れ落ちた・・・。
それだけの光景に少し心をかき乱された。

旅の思い出を共有出来たのはうれしいけど、こんな幸せがいつまで続けれるんだろう?

僕の視線を追っていたカヲルさんが、一息ため息をつきコーヒーを口にした。
「どうした少年。やっぱり残念?」
「いえ、そんな事無いです、2日間だけでしたけど楽しかったですよ。それに、また行くんでしょ今日の続きを歩きに。」
「そうね。早ければ、9月の3連休当たりなんか、どうかな?」
「良いっすね。それか、もう少し遅らせて紅葉を楽しむかって所ですね」
「紅葉かぁ・・・そう言えば、純君は栗とかアケビとか採った事有る?」
「そりゃ山ん中育ちですからね。栗どころかマツタケ取ったり、ヤマノイモ見付けてムカゴ採って近所のおばちゃんにお小遣い貰ったり、マーキングしておいて冬に自然薯掘ったりしてましたよ。」
「さすが男の子ねぇ・・・ムカゴご飯とか好き?」
「いや、我が家は煮っ転がしにしてましたから、食べた事ないですね。」
「じゃあ、今年の秋は栗ご飯にムカゴご飯、沢山作ってあげるね」


・・・今年の秋も、一緒に居てくれるって事ですよね。
その言葉に少し救われた気がする。
窓を伝う雨粒を眺めながら、ぼんやり今日聞いた話を思い出していた。
「このところ、立て続けに見合いしないかって話が、舞い込んでいるのよ。やっぱ、田舎だとそう言う話が来るのが早いわよね。」

もし、お見合いするなんて話になったら、僕はカヲルさんと会う事が出来なくなるし、何よりお見合いする事決めた自体、僕とは分かれるって言ってる様なものです。
そりゃまぁ、僕は社会人に為りたての18歳、その日を無難に過ごすのが精一杯の状態です。
片やカヲルさんはそろそろ適齢期の23歳・・・見合い話が入り始めてももおかしくない年齢ですよね。
本人は、結婚なんてマダマダ先の話って、笑っていますが・・・


お互い無言になっている事に気付き、気の利いたネタを探してみる。
「そう言えば、田舎の裏山じゃあ一年中、食材が取れますよ。春はフキノトウに始まって、土筆、タラの芽、コシアブラ取れますし、タケノコ、野蒜、蕨にゼンマイ、コゴミなんかも食べますね。夏はヤマメや鮎釣ったり出来ますし」
「うわぁ、山菜の宝庫だね。じゃあ来年の春は、ワンゲルメンバー呼んで山菜パーティーしようよ純君。」

来年になれば、僕は年齢が一つカヲルさんに近づける。
でも、それはほんの数カ月の話であって、誕生日が来ればカヲルさんは、また一つ年上になってしまう。
もし、カヲルさんが歳を取らないか、僕だけ時間軸を早く進める事が出来たなら・・・出来もしない事を、あれこれと考えてしまいます。

「ん~どうした少年、午後から顔が暗いぞ。」
カヲルさんが、心配して僕の顔を覗き込んだ。
「あっ、すいません。何でもないんです。何でも・・・」

「あっ、ひょっとしてお昼に話した見合い話の件、気にしてる? あの時、純君少し表情が曇ってたけど。だから、そんな気は全然無いって、まだまだ自由に羽ばたいていたいもん私」
「でも、いつまでもそうは言っておれないでしょカヲルさん。」
「『どんどん歳を取って行くだけ』なんて言わないでよ、それは私だって分かっているんだから。」
「だったら、やっぱり俺と・・・」
「それ以上言ったら、本当にここから歩いて帰ってもらうわよ少年。」
少し睨む様に、カヲルさんは僕の目を見た。

「ねぇ純君、私が見合い話を断るのは、もっと自由に過ごしたいからなの。週末には、自由気ままに色んな山に登っていたいの。結婚したら、旦那さんに気を使わなければならない、家庭が第一だから山登りの回数だって減るでしょ。中高年の登山ブームなんて、私にとってはまだまだ先の話だもん。第一、旦那が登山好きとは限んないでしょ。山か結婚、どちらを選んでも後悔すると思うの。どうせ後悔するなら、今、やりたい事をやっておきたいの。」


「それに・・・・・・

・・・少年には、保護者が必要でしょ。私が見守ってあげるから、安心して青春を謳歌しなさいよ」
えっ?それって?
「ちょっとぉ、何をキョトンとした顔してるのよぉ。ちゃんと、お礼の一つ位言いなさいよ」
「あっ・・・あぁ・・・あっ、ありがとうございます」
「うわぁ、取って付けた様な棒読みはなによぉ。やっぱり、ここから歩いて帰ってくれるかなぁ」
「うわっ、カヲルさん。それだけは勘弁です、まだ本州にすら戻ってないんですよ僕ら。」
「だったら、もっと気の利いたセリフの一つ位言えないの?」
「あの~・・・ とにかく、カヲルさんが後悔しない様に、精一杯僕はカヲルさんを幸せにします。」
そう言う僕の瞳には、少し泣きそうな顔をしたカヲルさんが映り込んでいた。


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昨日貰ったトマトときゅうり、四万十川で冷やしてから食べたら、すごく美味しかったです。
今日は、曇り空で風も少し有るから、快適に歩く事が出来そうです。
おはようございます、竹下です
―――――――――7月17日(日)―――――――――
昨日は、沈下橋を見つける度に休憩しちゃいましたから、思っていた程距離を稼ぐ事が出来ませんでした。
それでも、夕方には温泉につかる事が出来(お昼を買った食料品店で、温泉の場所を教えてもらい、割引券まで頂いちゃいました♪)、日没までには無料のキャンプ場に到着し無事に夜を迎える事が出来ました。

えっ? 夜は楽しめたかって?
僕のもカヲルさんのもソロテントでしたので、タープと言う一つ屋根の下別々のテントで寝てました。
まぁ、「今日歩く為の体力は、温存しておかなければいけないので、丁度好都合でした」と、負け惜しみを言わせて下さい。

朝食のホットサンドを頬張りながら、携帯で天気をチェックしてみる。
・・・うわっ、台風が近づいてるんだ。
快適に歩けるなんて喜んでる場合じゃないですね。
「カヲルさんやばいっすよ、台風ですよ台風。今夜から降り出すみたいですよ」
「え~っ、そうなの? 場合によっては、今日でトレッキングは終わりかもね。」
「マジで?」
「そうよ、もし明日瀬戸内大橋が、台風で通行止めになったら、帰れないでしょ。様子を見て、今夜か明日の午前中には、倉敷まででも戻っておいた方が、利口じゃない?」
「う~ん、確かにそれはそうですけど・・・」
「四万十川は、逃げないから又来れば良いじゃない。それに、雨が降りだしたら河原でキャンプ出来ないし・・・ねぇ、やっぱり今夜のうちに車まで戻っておこうよ、純君」
そうですよね、こんな事でカヲルさんを困らせても、仕方ありませんよね。

「そうですね、やっぱり今夜のうちに行動しましょうか。その代わり、絶対に今日の続きを一緒に歩きましょうよ、カヲルさん」
「うん、絶対二人で行こうね。約束だよ純君♪」そう言いながら、カヲルさんは右手の小指を突き出した。



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本格的な夏の到来ですね♪
今日はヒデ兄達と松ケ浜に海水浴に来ています♪
いや~夏の砂浜は解放的ですね、こんにちは健吾です
―――――――――7月16日(土)―――――――――
「ちょっと健吾、何こっち見てんのよ・・・あっ、お兄ちゃんまで。ったくう、うちの男子はぁ本当にスケベなんだからぁ。ねぇ、そう思いません佳奈絵さん?」
あっ、やばい・・・水着に着替えてきた、楓と佳奈絵さんがこっちを睨んでます。

「アホかお前ら。お前らのペタンコな胸見たって、何も嬉しくないわ。俺らが見てんのは、波打ち際のおね~ちゃん達だって。なぁ健吾」
うわっ、そんな本当の事言わなくってもヒデ兄(^_^;)
「ふ~ん、モリヒデに健吾君はあっちの女子の方が、興味有るんだって楓ちゃん・・・」
ほら~、佳奈絵さんが睨んでますよ、ヒデ兄・・・(>_<)
「へぇ~健吾もそうなんだ。別に良いわよ、お昼ごはんおごってもらうから。た~っぷりと、ナイスバディを堪能してても。」
「いや俺はヒデ兄と違って、ちゃんと楓の事、見てたんだぞ」
「どっちにしても、スケベな事には変わり無いじゃん健吾」
うっ、どっちに転んでも立場が悪いですね(^_^;)
とりあえず、海へと退避します・・・



ひと泳ぎして、ちょっと休憩中っす
しかし暑いっすね、ビーチパラソルを突き抜けて太陽が、僕らを焦がしています。
「こんなに梅雨明けが早いのは珍しいですよね、佳奈絵さん」
「そうねぇ例年なら、梅雨明け宣言の後に大雨が降るのにね健吾君」
「やっぱ、異常気象なんかね? 本当なら今年以外が異常気象って気もするがな。健吾、もう一本ビール取ってくれや」
「ちょっと、モリヒデ飲み過ぎだよ。」
「良いじゃんか、帰りの運転はヒグラシなんだし」
「そりゃそうだけど、あんた知ってる?酔った状態での海水浴が一番危険なんだからね」
「あっ、俺も聞いた事ありますよ、それ。ほい、ヒデ兄ラスト1本」
「そう言いながらもビールを渡す?健吾!」
楓が、ケラケラと笑ってます。

今日の楓は、ピンクのビキニです。
明らかに胸はパッドで誇張されてますが、やっぱり男としてはドキッとしちゃいますね。
「ねぇ健吾、オイル背中に塗ってくれる?」そう言いながら、楓がすり寄ってくる。
いくら幼馴染みとはいえ、こんな間近で素肌を見せられた日には、興奮しない訳がありませんよね。
このシチュエーションなら、ちょっと位胸に触れても大丈夫かな? 背中が終わったら、次は足とかもやってやんなきゃいけないよな。太ももや内腿とか、触っちゃえるやん♪
等と、イケナイ妄想が暴走しています・・・妄想暴走ってなんか、韻を踏んでますね(笑)

「健吾君、変な所触っちゃだめだよ」
佳奈絵さんの一言に、見透かされているようでドキッとした。
「健吾、俺の妹に手出ししたらただじゃおかないぞ。せめて100円位は貰わないとな」ヒデ兄が追い打ちを駆けてます。
「ちょっと健吾、止めてよね・・・って言うか、私の価値って100円なんお兄ちゃん?」
「おう、税込みでな」
「うわ~、ダ○ソーより安いんだ私」
「じゃあ、私はいくらなのモリヒデ?」
「ヒグラシなら、熨斗付けて差し上げるかな」
「あっ、ひど~いお兄ちゃん。ちょっと健吾、あんた受け取っちゃダメだかんね・・・健吾?・・・どうしたの、お腹でも痛いの?」

みんながこっちを注目しています。
わっ、見るなよな。
こっちは、股間の暴走を抑えるのに必死なんだから~(^_^;)





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土佐大正の道の駅に着いたのは、夜中の1時を回ってました。
カーテン代わりとして、窓に垂らした銀マットの隙間から朝日が差し込んでいます。
横に目をやると、カヲルさんの寝顔が有り、思わずドキッとしてしました。
おはようございます、竹下です。
―――――――――7月16日(土)―――――――――
今日から、バックパッキング旅の始まりです。
目的は、沈下橋の有る風景。
松舞にだって、何本か沈下橋が有るんですけど、以前雑誌で見た四万十川の沈下橋が良かったって、カヲルさんが言い出したのが、今回の旅の始まりです。


「う~ん、おはよう純君。今、何時?」
あっ、カヲルさんも目覚めたようです「おはようございますカヲルさん。えっと、7時過ぎですよ」
「じゃあ、顔洗って朝ご飯にしようか」
僕らはお手洗いで洗顔し歯を磨いた・・・そんな気取らない所がカヲルさんの魅力の一つなんですよね。

昨夜、コンビニで買ったパンと温くなった缶コーヒーで朝食を済ませ、僕らは出発の準備を始めた。
今回の行程は2泊3日、道は比較的平坦ですし基本的に街から街へと渡り歩くコースですから、食糧は行動食がメインです。
その代わり、熱中症対策の水は多めに装備しています。いくら最後の清流とは言え、飲めるほどキレイとは考え難いですからね。

「テント・・・OK、シュラフ・・・OK、食糧と水もOKね、ファーストエイドセットもOK」
お互い声をかけて、チェック終了・・・そして出発です。

いつもの様に、ザックを背負い歩き始める。
歩きながら携帯を取り出し、天気をチェックしてみた。
「うわ~、今日は35度超えるそうっすよ。」
「だよね、荷物準備だけで薄すら汗かいてるもん、水分だけは細まめに摂ろうね。UVケアもウォータープルーフにしておいて良かったわぁ。でも汗びっしょりになるだろうから、うまい具合に夕方、温泉か銭湯が見つかるといいね」
「そうっすね、まぁ携帯有るから何とかなるんじゃないっすか? あれっ、そのGPS買ったんっすか?」
「うん、夏のボーナス見越して買っちゃった♪ 今は便利よね、携帯だけでも十分事足りるんだから。ワンゲルの時なんか、1/25,000の地図を揃えるだけでも大変だったんだから。それにガイドブックだって必要でしょ、荷物が多くてパッキングに苦労したんだから。今は、携帯一つで情報収集出来るから、安心して旅出来るわよね。その分、ドキドキワクワク感は薄くなったけど」
・・・野宿しながら行ける所まで歩いて、そこから電車で戻ってくるってだけでも、十分行き当たりばったりな気もするんですけどね(^_^;)

西に向かってほどなく歩くと、四万十川が見えて来ました。
「うわあ~、斐伊川なんか足元に及ばない位、良い雰囲気ですね。」僕はザックのポケットから、デジカメを取り出した。
「あれ? 純君、デジカメ変えた?」
「はい、デジイチだと重量が結構有りますからね。でも、こいつもちゃんと絞りやシャッタースピードかまえるし、大口径レンズに負けない明るさのレンズなんですよ。実は僕もボーナス見込んで買ったんですけど、1年目の夏ってボーナス寸志程度なんですね、足が出ちゃいそうです」
「もう計画的に買い物しなくちゃあ・・・でも、そのデジカメなら確かにトレッキングやバックパックに連れて出れそうだね。あっ、見て見て、カヤック出てるよ」
「あっ本当ですね、やっぱ四万十ならカヌーツーリングの方が楽しそうですね」
「でも私、カヤックはやった事無いのよね。純君は有る?」
「僕も、秋鹿のなぎさ公園でちょこっとやっただけですよ。」
「へぇ~あそこヨットとスワンボートだけかと思ったら、カヤックも有るんだ、今度やってみようかな・・・ねぇ、早速来週連れて行ってよ純君」
「っもう~、相変わらずせっかちなんだから。来週は、カヲルさん講習会が有るって言ってませんでしたっけ?」
「あっ、そうだった。その翌週は月初だから、休日出勤かもしれないし・・・そうこうしている内にお盆に入っちゃうのよね、学生時代は長い夏って気がしてたけど、社会人になってみると夏って短いわよね。」
「んで、また一つ歳を取る訳ですね」
「何よそれ純君、イヤミ? 」
「うわぁ~、深い意味は無いですってカヲルさん」

「・・・まぁ良いわ、後でじっくり追及するからね。それより、このまままっすぐ国道行くより、左の橋渡った方が、景色良いと思わない?」
「あっ確かに自然感は、あっちの方が濃いそうですよね。あの道って、最終的にどこ行くんですか?」
「ん~っと、待ってね。このGPSナビ、まだ使い馴れてないからね。・・・大丈夫だわ、川を挟んで並行に走ってるから。距離は国道の方が稼げるけど、気分的に左の道の方歩きたいなぁ」
「そおっすね、じゃあ、あの橋渡っちゃいましょか」


カヲルさんが最初、「とりあえず、四万十川向かおう」って言った時は、正直「マジかよ」って思いましたが、パックツアーでもないガイドブックに従う訳でもない、時間も行き先も自由気ままって言うのも楽しいものですね。

・・・えっ!?カヲルさん、いくら自由気ままとは言え、そこはどう見たって道じゃなくて、畑の中なんですけど。
そのまだ子供っぽいルックスとは裏腹に、すごくアグレッシブに行動しています。
ほらぁ、農家の人がこっちを見てますよ・・・
カヲルさんは臆する事なく、農家のおじさんに声をかけてます。

・・・・・・

「いや~、色々地元の人に話かけてみるもんだね、純君」
「そうっすね、トマトにきゅうり沢山貰っちゃいましたね。でもまあ、よくしゃあしゃあと、『あんたら、高校生かい?』って聞かれて、『はい、そうなんです』なんて、返事が出来ましたね。しかも、学生生活最後の思い出作りなんて脚色までしちゃってさ」
「んっ? 何か文句有るの?」
「いや、特に無いっすけど(^_^;)」
「あそこで、『はい』って言ったから、トマトをおまけしてもらえたんだよ、感謝しなさい」
ううう・・・まぁ確かにそれは認めますけど・・・ちょっと罪の意識を感じるのは、僕だけでしょうか?


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