♪♪♪
部屋中に、ヒグラシのスマホの着信音が鳴り響いた。
「も・・・もしもし・・・お母さん?なに?こんなに朝早く・・・」
上半身を起こして話をするヒグラシの横で、俺は捲れ上がった掛け布団を手繰り寄せた。
「ウソ!マジっ・・・うん、分かった。ちょっとぉ、モリヒデ起きなさいよ!」
せっかく手繰り寄せた掛け布団を、ヒグラシが撥ね退けた。

松舞の朝方は、まだまだ寒いです。
おはようございます、モリヒデです。
―――――――――5月25日(日)―――――――――
「もう、10時回っちょうがね、モリヒデ!」
「うぉっ、マジ?」
俺は慌てて、枕元のスマホを手に取った。

今日は午前中、ご近所にあいさつ回りに行く予定でした。
・・・実は、昨日ヒグラシとの結婚式でした。
これで、自他ともに認める夫婦となりました・・・実感はないんですが。

いや~、結婚式って飲んで騒いでって簡単に考えてたんですが、緊張しちゃって疲れ果てました。
次は結婚式はしないぞ・・・おっと、そんな事言っちゃいけませんよね(笑)
人前式だったし、そんな盛大な式したわけじゃないんですけどね。
呼んだのは、お互いの親戚と極々親しい友人数名、そして夫々の職場から社長と上司と2名づつ位です。

おっと、そんな悠長に考えてる時間はないですね、急いで支度をしなければ。

・・・

「お~い、ヒグラシ~準備できたかぁ?」
「ちょっと待って、ワンピースのチャックがぁ・・・」
「ったく、相変わらずトロいなぁ」
俺は、そう言いながらヒグラシの背中に回りワンピースのチャックを静かに上げた。
「お前・・・腹出て来たな・・・」
ちょっと剥れ顔のヒグラシが振り返った。

「・・・・ちょ、ちょっと何?そのネクタイ・・・ヨレヨレじゃないのよ!」
「あっ、適当にクローゼットから引っ張り出したから・・」
「んもう~、相変わらず私がチェックしないといけないんだから・・・しっかりしてよねパパ」
そう言って微笑むヒグラシを見て、俺も一緒に笑ってた。


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