「あっ、動いた♪」
「うん、俺も解った。って言うか、これってエイリアンとかじゃないですよね?」
私のお腹に耳を当てていた、比呂斗さんがびっくりした顔で話し掛けて来ました。
こんばんわ、お久しぶりですね錦織美咲改め小村美咲です。
―――――――――3月15日(土)―――――――――
「比呂斗さん、実の子に何て事言うんですかぁ」
「だって今、お腹ボコボコって動きましたよね」
「うん、足をジタバタさせた感じでしたね。」
「痛くないです?」
「たまに苦しくなりますよ。あっ、また動いた」
結婚三年目、私達も新しい命を授かりました。
予定では5月に、私もお母さんになります。
「ところで比呂斗さん、名前決まりました?」
「いや、まだなんですよ。候補は幾つか有りますけどね。」
そう言いながら、チェストの上のタブレットの画面をタップしています。
「女の子なら、青葉か緑、男の子なら、元気か潤なんてどうですか?」
「潤って・・・」
「やっぱり、嫌ですか? 俺的には潤一さん嫌いじゃないから平気なんですが」
潤一・・・覚えていらっしゃいますか、不慮の事故で亡くなった私の昔の彼の名前です。
「お気持ちはありがたいのですが、いつまでも潤一の事を引きずる訳にはいきませんからね。」
私は、テーブルの上のスマートフォンを手に取った。
「実は私も幾つか考えたんですよ、ほら」
比呂斗さんは、私の手からスマートフォンを受けとると、しげしげと画面を眺めました。
「数、多過ぎません?」
「すいません、中々絞りきれなくって」
「あっ、でもこの萌衣(めい)とか、可愛いですね。男の子なら・・・五右衛門って、真面目に考えて下さいよぉ」
「だって、『5』の付く名前って言ったら、真っ先に浮かんじゃって。」
ブルッて、比呂斗さんが身震いをした。
「やっぱ、春になったけど、日中は暖かくても夜は寒いですね。」
「そうですね、コーヒーでも淹れましょうか?」
そう言って立ち上がろうとする私を、比呂斗さんは制し「僕がやりますよ、美咲さんはホットミルクですか?」
「すいません、ありがとうございます、」
元々優しい比呂斗さんですけど、私のお腹が大きくなり始めてからは、一段と優しくなりました。
「はい、お待たせ致しました」
そう言いながら、マグカップを私に手渡す比呂斗さん。
「コーヒー淹れながら考えてたんですけど、『5』にこだわるなら『ゴンザレス』とか、どうでしょう?」
飲みかけたミルクを思わず吹き出しそうになりました。
「さすがに、それはちょっとお・・・それに『ゴンザレス』は、名字なんですよ」
「あっ、そうなんですか?」
すまなそうに、苦笑いする比呂斗さん。
「あっ・・・ほら、お腹の赤ちゃんも怒って暴れてますよ。」
「お~そうかそうか、スマンスマン、お父さんが悪かった悪かった」
そう言いながら、もう一度私のお腹に耳を当てる比呂斗さん。
そんな彼を、微笑ましく見つめながら、「ゴンザレス」の「ゴ」は「五」で良いとして、「ん」って漢字無いから「五座礼子」なら、男の子でも女の子でも、使えるかなって考えてた私
「うおっ・・・今、一段と強く蹴りましたよねぇ」
・・・やっぱり、お腹の赤ちゃんに「ゴンザレス」は不評みたいです・・・
松舞ラブストーリーアーカイブ
ショート・ショート編
モリヒデ・ヒグラシ編
颯太・朝葉編
洋介・日向編
幸一・真子・美結編
御主人様28号・詩音編
比呂十・美咲編
優ママ編
本田・楓編
android game編
純・カヲル編
瑞穂編
ちょい、言ったー。
僕と彼女の日々
ある高校生の夏休み編【完結】
(小夜曲)sérénade編【完結】
楓・青木先輩編【完結】
本田・沢田編【完結】
2009年収穫祭編【完結】
「うん、俺も解った。って言うか、これってエイリアンとかじゃないですよね?」
私のお腹に耳を当てていた、比呂斗さんがびっくりした顔で話し掛けて来ました。
こんばんわ、お久しぶりですね錦織美咲改め小村美咲です。
―――――――――3月15日(土)―――――――――
「比呂斗さん、実の子に何て事言うんですかぁ」
「だって今、お腹ボコボコって動きましたよね」
「うん、足をジタバタさせた感じでしたね。」
「痛くないです?」
「たまに苦しくなりますよ。あっ、また動いた」
結婚三年目、私達も新しい命を授かりました。
予定では5月に、私もお母さんになります。
「ところで比呂斗さん、名前決まりました?」
「いや、まだなんですよ。候補は幾つか有りますけどね。」
そう言いながら、チェストの上のタブレットの画面をタップしています。
「女の子なら、青葉か緑、男の子なら、元気か潤なんてどうですか?」
「潤って・・・」
「やっぱり、嫌ですか? 俺的には潤一さん嫌いじゃないから平気なんですが」
潤一・・・覚えていらっしゃいますか、不慮の事故で亡くなった私の昔の彼の名前です。
「お気持ちはありがたいのですが、いつまでも潤一の事を引きずる訳にはいきませんからね。」
私は、テーブルの上のスマートフォンを手に取った。
「実は私も幾つか考えたんですよ、ほら」
比呂斗さんは、私の手からスマートフォンを受けとると、しげしげと画面を眺めました。
「数、多過ぎません?」
「すいません、中々絞りきれなくって」
「あっ、でもこの萌衣(めい)とか、可愛いですね。男の子なら・・・五右衛門って、真面目に考えて下さいよぉ」
「だって、『5』の付く名前って言ったら、真っ先に浮かんじゃって。」
ブルッて、比呂斗さんが身震いをした。
「やっぱ、春になったけど、日中は暖かくても夜は寒いですね。」
「そうですね、コーヒーでも淹れましょうか?」
そう言って立ち上がろうとする私を、比呂斗さんは制し「僕がやりますよ、美咲さんはホットミルクですか?」
「すいません、ありがとうございます、」
元々優しい比呂斗さんですけど、私のお腹が大きくなり始めてからは、一段と優しくなりました。
「はい、お待たせ致しました」
そう言いながら、マグカップを私に手渡す比呂斗さん。
「コーヒー淹れながら考えてたんですけど、『5』にこだわるなら『ゴンザレス』とか、どうでしょう?」
飲みかけたミルクを思わず吹き出しそうになりました。
「さすがに、それはちょっとお・・・それに『ゴンザレス』は、名字なんですよ」
「あっ、そうなんですか?」
すまなそうに、苦笑いする比呂斗さん。
「あっ・・・ほら、お腹の赤ちゃんも怒って暴れてますよ。」
「お~そうかそうか、スマンスマン、お父さんが悪かった悪かった」
そう言いながら、もう一度私のお腹に耳を当てる比呂斗さん。
そんな彼を、微笑ましく見つめながら、「ゴンザレス」の「ゴ」は「五」で良いとして、「ん」って漢字無いから「五座礼子」なら、男の子でも女の子でも、使えるかなって考えてた私
「うおっ・・・今、一段と強く蹴りましたよねぇ」
・・・やっぱり、お腹の赤ちゃんに「ゴンザレス」は不評みたいです・・・
松舞ラブストーリーアーカイブ
ショート・ショート編
モリヒデ・ヒグラシ編
颯太・朝葉編
洋介・日向編
幸一・真子・美結編
御主人様28号・詩音編
比呂十・美咲編
優ママ編
本田・楓編
android game編
純・カヲル編
瑞穂編
ちょい、言ったー。
僕と彼女の日々
ある高校生の夏休み編【完結】
(小夜曲)sérénade編【完結】
楓・青木先輩編【完結】
本田・沢田編【完結】
2009年収穫祭編【完結】